つくみずの漫画『少女終末旅行』全六巻を一気に読んだ。
物悲しいラストが胸にきた。
手をつないで階段を登るチトとユーリを包む闇。
そしてついに辿り着いた最上層を覆う真っ白な雪。
そのコントラストが鮮やかで悲しかった。
「生きるのは最高だったよね…」
「……うん」
というユーリとチトの会話もよかった。
過去形なのが悲しいが。
最上級の詩を読んだ気分だ。
しかも二十代のうちにしか書けない詩である。
今のように忙しなく騒がしい時代にこういう詩はなかなか書けない。
作者のつくみずさんに拍手を送りたい。
それからチトとユーリにも
「ありがとう」
と伝えたい。
二人のやり取りを読んでいたら、乾いた老兵の目にも涙が滲んだ。
自分がもっと若かったら号泣したと思う。
すばらしい漫画だった。