• 恋愛
  • 歴史・時代・伝奇

蘭契ニ光ヲ和グ 大川と三虎、十五歳の挿絵

 陸奥国のとある豪族の屋敷。
 女官部屋で、十一人の女官たちが寄り集まっていた。

「『蘇芳と梓弓』、新作できたわよ。」
「ふぉ〜、聴かせて!!」
「こほん。……昔、ふたりの壮士《をとこ》あり。貴《たふ》とき男、歳は十五、風姿颯爽《ふうしさっそう》、麗しき容貌なり……。」

 ───昔、ふたりの男がいた。
 貴き男は、歳は十五、結い髪も爽やかに、みやびで麗しい容貌だ。
 その従者、歳は十五、赤ちゃんの頃から共にいる男は、このところ、おのが主を見るにつけ、心がざわめき、ときめく心地を抑えることがかなわなかった。

 貴き男は何も知らず、遠乗りに従者を誘う。
 誰もいない野原で、貴き男は、

「天気が良い。気持ち良いことだ。」

 と自ら大地に寝そべった。
 若き従者は、無防備な主の上に覆いかぶさり、

「いつの日からか、大川さまを恋い慕う気持ちが募り、夜、寝床についても、寝返りをうち、思い悩むまま夜を明かしています。
 大川さま、将来、妻を娶る前に、オレの……。」




「むはあぁぁぁぁぁぁあっきょ───!!」
「ちょっと、若大根売《わかおおねめ》、うるさい!」






※「蘭契ニ光ヲ和グ」には一切関わりありません。


「蘭契ニ光ヲ和グ」
第二章  霜結ふ檜葉
第三話  オレは草笛を吹ける
https://kakuyomu.jp/works/16817330656106103583/episodes/16817330658196375230

10件のコメント

  • キャー、麗しい😍これはBL小説大賞に応募しなければ!!
  • 田鶴さま

    ありがとうございます。
    いやぁ、これ以上は書けないです。
    真面目返答すると、
    ・腐女子が妄想してる「語り物」という体裁なら書ける。
    ・自分が世界に没頭し、BLばかり考えようとすると、できない。

    読者さまに「キャー、麗しい♡」と喜んでもらいたい、それが目的で、近況ノートに文章を添えました(⁠θ⁠‿⁠θ⁠)
  • 何この演出(〃∇〃)すばら!
  • かごのぼっち様

    うふふ、「恋や明かさむ」をご覧くださった読者さまへのサービスです。
    若ちゃんが、このような美味しい挿絵を放っておきませんでした(笑)
  • 女官が二次創作してる!!🤣
    二人のイラストも素敵です!

    BLは本当に好きな人じゃないとツボが分からないんだろうなと思って、手を出せません笑
    「バディもの」くらいなら書けそうかな、と思いますが(^▽^;)
  • 綾森れん様

    女官が二次創作、してます。
    ちゃっかりです。(⁠θ⁠‿⁠θ⁠)
    二人のイラスト、素敵と言ってくださり、ありがとうございます。

    BLはね、私も手が出せません、というか、女官たちにキャーキャー言わせるくらいなら書けるんですが、それ以上踏み込んで書けません。(書く気もない)
    綾森れん様から、ブロマンス、という言葉を教えていただきました。
    綾森れん様なら、バディものもうまく書けると思います。(^_-)-☆
  • お久し振りです、って来て見たら急展開!!
    じゃなくて若大根売でしたか(笑)( ;∀;)
  • 福山典雅さま

    お久しぶりです!!
    お待ち申し上げておりました。(⁠ ⁠╹⁠▽⁠╹⁠ ⁠)
    ええ、大川と三虎、急接近♡ 
    いやいや、若大根売と女官たちの二次創作でした(笑)
  • 千花ちゃん。

    なんと想像をかきたてる挿絵ですこと!
    こんな時には若ちゃん登場ですね( ´艸`)
  • この美のこ様

    想像かきたてられますよねー。(笑)
    若ちゃんが放っておかなかったです。
    作品が違うのに登場しました。わはは(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する