月光と紅茶

人類を含む全ての『生き物』が消失した世界。 感情人形《フィーリング・ドール》と呼ばれる、感情を持った人形だけが意識を保っていた。 人類最後の遺産である感情人形たちの、なんの変哲も…

とある男性の実家にある人形。 子供の頃、それの髪が伸びていた気がした。 父親からとんでもない事を聞いた。 そして……

キリキリと軋む音を立てて踊るのは、誰かに作られた可愛らしい人形だった。いつの時代に作られたのか、どうやってソレが作られたのかは誰も知らない。人形はただ今日もこの街で踊り続ける。

「人形になりたいの」と、その少女は言った。「だって人形は、愛されるしかないから」と。 これは、人形になりたい少女と人形を作る少女の、古い女子高を舞台にした一冬の物語。