水二七市松です。
早速いくつかの作品、拝読させていただきました。
星評価や応援をつけておりますが、必ずしも良い=星の数ではないのでご容赦ください。
掌編だったり、短編だったりは面白いなぁと思っても星1とか2にしてたりもすると思います。
私の中の独自の判断基準ですが、あまり明記しないでおきますね。
あくまで今回は感想をメインで立てていきたいと思っておりますので。
それでは、感想書いていきます。
作品名:らいぶらりあん
作者名:水円 岳
今回も参加ありがとうございます。
正直に言うと、既に勝手に読んでありました。
水円さんの作品は、文章のキャラクターにかなり安定感があっていいです。
個人的に好きなので、他の作品も結構読んでたりします。
この作品は、なんというか図書室に訪れる人たちの群像劇のようなもので、しかしながら一応中心になっている主人公は存在するんですかね。
私はこれ読むとき、自動音声ソフトで聞いていたんですけど、読み終わった後に「え?12000文字程度しかないの?」と思うくらい、内容が濃く詰まってました。
登場人物全員のバックグラウンドやキャラクター性が、ぼんやりと見えるというか。
サクッと読めるのにしっかり奥行きのある作品だなぁと思いました。
星3つでレスポンスしてます。
作品名:見えない翼
作者名:鈴代
物語の全体像がそもそもボンヤリしたものであるのかなとも思いますが、結局最後まで読んでも、しっかりとした核部分に触れる前に終わってしまったというか、要するにこの物語を通して伝えたいことがくっきりと表現できてない感じがしました。
少年に対する美しい思い出と、それに対する主人公の心情、プラスアルファその感情に至るまでの状況の描写と言う感じなんでしょうが、テーマに対してもう少し掘り下げていけた気がします。
しかし、表現したいことに対する美的意識なんかはハイセンスだなと思いました。
単純に構成力と文章力にまだまだ伸びしろがあるなーと思います。
P.S 感想書き終わって星つけてからレビュー見たんですが、高校生の方のようですね。
特に偏見なく読んでたので、こういう感想でしたが確かに大したものだと思いました。
星2つつけてます。
作品名:明日も同じ空を見てる
作者名:ハトリ
基本的に、全体を通してストレスなく読み進められる書き口で、あっさりと読み終わりました。
セリフの選び方がすごい好きで、ユミちゃんが「時間を動かしたいの……」と呟くのはなんだかいいなぁと純粋に思いました。
中学生の割に大人びている、という印象が深まった気がします。
ただ、構成としては個人的に、もう少し長くてもよかったかなと思います。
秋平と言う人物が過去や会話でよく出てきますが、特に詳細の掘り下げがないので、ちょっと置いてけぼりになる感じです。
自殺してしまった兄にしても、ちょっと解説が弱いというか、感情移入するに至らなかったです。
しかしまあ、これ短編連作シリーズの一つ、という事で三部作みたいですので、全部読めばそこら辺の印象も変わるのかな?とも思いますが、今回はこれ一作の参加でしたので、単品での感想という事で。
星2つつけました。
作品名:許しのライセンス
作者名:松野 志部彦 (旧・まっしぶ)
こちらは、死んだ弟の人と成りに焦点を当てて姉目線で掘り下げていく話。
なんとなく、リアリティのある兄弟の関係性で、引き込まれました。
タカ君が死んだ事実から始まりますが、掘り下げていくうちにタカ君の人間性に好感を持てるようになり、最後の「カコちゃん犬飼いたいの?」のところらへんでは面白すぎて私も「なんでこいつ死んでしまったんだ」と思ってしまいました。
なんというか、愛情の溢れる姉ではなかったのでしょうが、主人公なりに弟との絆は確かにあったのでしょう。
けれども、それは解り易いものじゃなくて、失ったことに気付くのにも時間がかかるというか……。
実際思春期の姉弟の中にある距離感って、そんな感じなのかもしれません。歳近いと特に。
リアリティのある、漠然とした形のない所が題材になっていて、しかもそれをきっちり表現して拾いきっている構成力は見事だとおもいます。
長さも丁度よく、本当によくできた短編だなと思いました。
星3つつけました。
本日の感想は以上4作品です。
この調子でどんどん読み進めていきますよー。
長編は並行して読み進めての感想になりそうですので、気長に待っていただけると助かります。
企画への感想、コメントはお好きなところでしていただいて結構です!
お待ちしております。