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【自主企画】感想その3

みなさん、新年明けましておめでとうございます。
昨年、2018年振り返って、私個人色々ありました。
一月に本格的に物書きを十年スパンで目指していくことを決意したところ、もう二年以上前に、商業化目前で辞めてしまったバンド活動を再度熱心な説得で新しく再開することになり、三月には長く付き合っていた恋人と婚約をしました。
そして六月には妊娠が発覚し、八月には入籍して……。なんてしているうちにあっという間に2019年を迎えることと相成りました。
今年一年、皆様にとってもよいお年になることを期待しております。
さて、新年の挨拶もそこそこに、企画の進行も新年早々やっていきたいと思います。
職業柄、一年に一度きりの長期休暇ですので!!


作品名:むすんで、ひらいて。
作者名:aquilabellator
冒頭の現代社会に対する邪悪な倫理観は、非常にリアリティのあるものでよかったです。
歪んだ部分も的を射ている部分も含めて。
最初の方の主人公のクズい印象で、主人公像は勝手に清潔感皆無の「カイジ」みたいな男を想像して読み進めておりました(笑)
で、感想なんですけど。
短編なんで、ひなのちゃんの事とか、掘り下げていくまでに話が至らないので、回収しきれていない部分もあるのでしょうが、正直それはそこまで気になりませんでしたが、最初の歪み切ってぐるぐるした主人公の衝動が、第一印象が最悪の女性のトラブルでスッと引いてしまえたことには少しだけ疑問が残ってしまいました。
そこからの話の流れはとてもスムーズで、進むにつれて話の内容が暖かくなっていくのが心地よく、読んでいてとても心が洗われていく感覚でした。
汚い印象からの話の進め方のせいでしょうか。
とてもよく出来たお話で、読み応えもありました。
星二つつけてます。

作品名:天使のはしご
作者名:三谷 朱花
終わり方こそよかったのですが、この作品に対しても、前回より何作品かに抱いている感想と同じものが少し。
なんというか、もう少し書けたなあと。
主人公もさることながら、その周りの人間関係も、話の割と重要な軸であるはずの村田くんに関しての人格の判断材料が少なすぎて、申し訳ないのですが感情移入するに至らなかったので切なくもなんともなかったです。
作者様のこの小説に対しての狙いが読めず、見当違いの感想でしたら申し訳ないのですが……。
綺麗なテーマに対して、最後は漠然とした未解決の心境として終わらせたかったのかなとは思いますが、しかし「天使のはしご」と言うテーマをどういう象徴として読者に向けたのかが少しわかりにくいです。
文章が際立ってよかったので、凄くもったいないなぁと思いました。
情景描写のワードとかも、きれいに構成されてていいなと思いました。
星二つは、作者様に対しての意味で付けました。
作品性はもっと高めれそうだと個人的に。

作品名:枳殻花に潮騒を
作者名:弦
テーマに対する切り口が斬新で、凄く想像力のあるお話だと思いました。
宇宙を目指す理由が、絵画と言うのは凄く面白いお話です。
油絵に対しての造詣も深く、作者様も美術に関心のある方なのかなと思いました。
話の流れも、思春期独特の心境の中から生まれるドラマもあり、宇宙を目指す上での様々なドラマもあり。
あと、非常に感嘆した部分なのですが、主人公が一つの傑作を生んでしまったのちスランプに陥る理由として「一つのテーマに固執してしまう」と言う部分が凄く共感を覚えました。
私も、かつてバンドマンだったころ、同じ理由でスランプになったことがあります。
良い物を作ると、それに自分がとらわれて殻を破れないことってあるんですよね。
登場する人物はそこまで多くはないのですが、全員が凄く特徴をつかみやすく、物語の肉付けとしてしっかりと参加していっている感じがすごく良かったです。
プロットなんかもしっかり作っているんでしょうか、俗にいう「登場人物がある程度勝手に動いてくれる」と小説家や漫画家の先生たちがインタビューで言うようなことを、想像しました。
物語も最後まで、一貫したテーマの中で盛り上がっていく、どこか切ない物語で、とても読みごたえがありました。
星三つで評価してます。文句なしです。

今回はこの三作品です。
年末仕事が少し忙しかったこともあり、あと一作品長編を挟んだので、三作品という事になりまして申しわけないです……。

後、一応評価、感想を楽しみに待っていただいている方もいると信じて捕捉させていただきます。
今の所、割と適当に時間があるときに手あたり次第「この文字数なら読めそうだなぁ」みたいな感じで作品を読ませていただいているのですが。
意図的に「完結作品」を優先に読み進めております。
特に明確な理由はないのですが、企画の進行的にある程度の振り分けと区切りがあった方がやりやすいので、勝手ながらそこで区切らせていただいております。
なので、連載中の作品でご参加の方は、もうしばらくお待ちいただくことになりそうですが、ご容赦いただけると幸いです。

企画完走までまだまだ先は長いですが、何卒最後までお付き合いいただけると幸いです。

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