その年初めて雪の降った日、公園の東屋でクラスメートの冬野雪花が本を読んでいた。 なんとなく気になった橘は、冬野に近づいていき―― これはある冬の、二人の静かな交流を描いた話。 …

元日の朝、起きるとうさぎになっていた人の話です。 難しいこと考えずに気楽～に読んでください。 旧年ラスト一時間。 何か書きたいとお題募集したところ 「精神の入れ替わり」「うさぎ…

私の学校には『恋探偵』がいる。 彼には他人の恋愛事情なんてお見通し。 依頼をすれば一日もかからずに見抜いてしまうのだ。 「５分で読書」短編小説コンテスト2022に向けて書いてみ…

天文部の女の子が卒業間近の好きな先輩にお願いして、星空を一緒に見るお話です。 寒空をテーマに書きました。 ライトな文体の恋愛短編です。あたたかい気持ちになってくれるといいなと思い…

27歳OLの私――夏井空の家には近所の公園で拾ってきたヒモ男の裕人が住んでいる。 裕人は働かないし、ずっと家にいる。 でも私はそれをとても心地良く感じていて――。 尾岡れき様、…

私のヒーローは隣の家にいる。 私と同じ日に同じ病院で生まれ、幼少期よりまるできょうだいのように育てられた幼馴染の七瀬春弥――ではなく、その兄の冬弥くん。 ……と思っていたのだけれ…

病に伏した幼馴染の結奈は日に日に弱っていき、もう長く生きられないことは明白だった。 そんなとき、一人の不思議な少女と出会った。 少女は自身を死神だと名乗った。 これは優しい死神…

勇者と相対するのは強大な魔王。 まさしく、死の象徴だった。 しかし勇者の心には不思議と恐怖はなく、むしろ頭の片隅にどこか妙に冷めた部分があるのを自覚していた。 「――覚悟しろ！…

伯爵家令嬢のアリスには秘密があった。 それは鏡に触れることでもう一人の自分と入れ替われるというもの。 大人しく消極的なアリスと、活発で何事にも積極的なありす。 これはそんな正反対…

山田は隣の席に座っている。 手を伸ばせば届きそうだけれど、その距離はどこまでも遠い。 ※ハッピーエンドではありません。

人生初の恋文をもらった。 でもなんでかな、心臓がちっとも高鳴ってくれないんだ。

神山颯太は同じクラスの佐々木鏡花に恋している。 しかしできることといえば神頼みくらい。 そんなある日、神社で落とし物の日記帳を見つける。 そこに書いてあった持ち主の名前はまさかの…

薬師のフェリシアは悩んでいた。 臭いのだ。薬作りが。 すっかり精神的に参ってしまったフェリシアは仕事を休むことになった。 そんなときフェリシアはとあるお店を見つける。 そこには冴…

翔真は一〇年前に姿を消した少女、彩音をずっと探していた。 そんなとき、あるニュースが流れた。 「国の実験施設から実験体が逃げ出した」 最初は眉唾だったそのニュースも、次第に…

死に場所を求めてさまよっていた俺はとある村に辿り着いた。 そこで出会った女性――舞は、自身のことを「魔法使いなの」と言う。 その魔法の正体は「人の心を操る魔法」だった。 小説…

母が死んだ。親戚の家に引き取られた。 手首から流れる赤の液体だけが私を安心させた。

マリという女の子に恋する女の子のお話です。 短いのでサクッと読めます。 間川 レイ様主催自主企画「その恋は成就しない、百合の本棚」に向けて書いてみました。 https://ka…

波留は幼なじみの亜希から「ゲームをしよう」と提案される。 受け入れた波留が聞かされたのは「ふたりの間の30センチを30分かけて縮める」という、へんてこなゲームだった。