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新作予告

 みさちゃんのシリーズを完結させたあとしばらく長編執筆から離れていたんですが、ここで新作をお届けいたします

 題して『ファイブ・デイズ・グレイス』。
 全く新しいというわけではなく、六年前に執筆した『レンタル屋の天使』の続編ということになります。

 まずタイトルの説明からいたしますね。スリー・デイズ・グレイスというカナダのロックバンドがおりまして、かっこいいんですよ。音はもちろんですが、バンド名が。
 日本語に訳すと『三日間の猶予』。猶予という言葉にどんな意義を割り当てるかによって、イメージが無限に広がりますよね。じゃあ……ということで、その三日間を五日間に延長しました。つまり『五日間の猶予』ということになります。

 続編ですから、当然前作が下敷きになっています。
 前作がどんな作品だったかは、ぜひお読みいだだければ。

 えー? めんどくさーいという方のために、ざっくりと前作のあらすじを書いておきますね。

 主人公は小賀野 類(通称ルイ)。二十歳。家族構成は両親とルイ。一人っ子ですね。ルイはちと事情があって、成人するまでずっと実家に実質『幽閉』されていました。前作は、そのルイが実家(ルイは家を鶏小屋と表現します)を脱出するまでの苦闘を描いた作品です。

 長い間外界から切り離されていたルイですから、当然外に出るには馴化(馴らし)というプロセスが要るわけで。その馴らしの舞台になったのが、てっぺんはげのおっさん中里店長が経営するレンタルショップハッピー。
 店長は表で普通のレンタルショップを、裏でレンタルカレシ業を営んでいます。裏と言っても非合法ではなく、店の看板は上げていませんよというだけなんですけどね。

 そのレンタルカレシに登録したルイが、客とのやり取りを通じて自分を社会の水に馴らす……はずだったんですが。来る客来る客イレギュラーな連中ばかりで。最後はとんでもないオチになってしまいます……というのが前作でした。

 ルイの容姿は特殊です。ひょろっと細っこくて頼りない。でこぼこが極端に少ない。こう言っちゃなんですが、宇宙人みたいな体型です。
 でも性格は温厚かつ楽天的で、積極性や社交性も十分備えていて、中里店長のえげつないツッコミも余裕でさらりとかわします。

 中性的な容姿と角(かど)のない性格が『天使』と呼ばれるもとになっていますが、本人はそう呼ばれることをとても嫌がっています。
 ルイが天使と表現されるもう一つの理由があるんですが、ネタバレになるので、あらすじでは書きません。ぜひとも前作を読んでくださいまし。

 で、新作ですが。
 タイトルにあるように、五日間の話です。前作も割と短期集中ではあったものの、もう少し前後に幅のある話でした。でも本作はきっかり五日間です。
 その五日間それぞれに章を割り当て、いくつかの話に分割して展開する形になります。

 季節は実季節とずれてしまいますが、三月中旬。鶏小屋を脱出したあとバイトと受験勉強に勤しんでいたルイが、見事D大経済学部の合格を勝ち取り、新生活に向けて胸ふくらませていた、まさにその時! ……という感じで始まります。

 文量は十三万字オーバーになりますので、そこそこの長編ですね。また、続編ではあるものの本作で完結ではありません。次の話との間をつなぐパーツ……そんな形にいたします。もちろん、本話単独で楽しめるクオリティを維持しながら、です。

 それと、一つだけ前もってオープンにしておきます。前作はほぼルイ一人で動かす話でした。ルイの脱出劇ですから、当然そうなりますよね。でも本作にはヒロインが登場します。美少女です。ちょっとかわいいどころではなく、超絶ハイクオリティの美少女です。

 ルイと彼女を絡ませるわけですから、恋バナだと思うでしょ? 誰がそんな直球ほるかいな。(爆
 そんな新要素も入れ込みつつ、前作よりはずっとコメディ要素多めで仕上げました。楽しんでいただければ幸いです。

 明日からスタート。章間に小休憩を挟みながら、一日一話ずつ。だいたい一ヶ月強かけてお届けしてまいります。

 前作が前作ですから本作も変な話ですが、楽しく読んでいただければ。(^^)/

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