私は小説を書くのが趣味ですが、漫画を描いていた時期があります。
漫画を描くのは大変でした。
短編漫画をひとつ描きあげるのに、とてつもなく時間がかかりました。半年とか一年とか(デジタルではなく、アナログでした。Gペンで描き、スクリーントーンを貼っていました)。
十万字の長編小説分の物語をひとりで漫画にするとしたら、一生かかるのではないかと思います。
キャラクターを描くのは楽しかったですが、背景を描くのは苦痛でした。
結局、絵が絶望的に下手だったので、漫画を描くのはやめました。
物語を完結させるのにあまりにも時間がかかるというのも、やめた理由のひとつです。
小説は物語をひとりでつくるには、最適な表現方法だと思います。
背景を描かなくていいし。
でも漫画にはものすごく魅力があって、たとえばたったひとつのキャラクターの絵に、文章ではとうてい表現できない情報が埋め込まれています(絵と文章を単純に比較するのはまちがっているかもしれませんが)。
もし私に画力があったら、いまでも漫画を描いていたかもしれません。