専ら読書といえば、印刷された紙を綴じたもの、つまり本でありました。スマホを持ったのも2年前で、画面を凝視すると疲れるのと、読んだ気がしないのと、ページをめくる感覚が好きなのと、紙の匂いが好きなのと、本屋と図書館が大好きなのと、並べればいくらでも出てくる本を愛する理由によって、わたしは本以外を読書と思っていませんでした。
けれど最近、まさか、と思って探したんです。
カクヨムには「異世界もの」しかないと思っていたんです。
いや、もちろん、ごく少数はおられるのは知っていました。
最初に知ったカクヨムの作家さんは江戸川台ルーペさんで、カッコいい文章を書かれる、以後、一目置くこととなる尊敬するべき物書きさんです。でも、それ以降、目にすることはありませんでした。活字がぶわあっと並ぶ系の、本と同レベルの文章を読ませてくれる存在。
もうおばさんだから、世界が違うといえばそれまでです。
けれどまだ、老眼はきていなし、探せるんじゃないかと思ったんです。理由は 最近自らが産み落とした未就学児を、うかうか本屋や図書館へ連れて行けないという事情も絡んでいます。
床に寝転がってコドモの相手をしながらスマホのカクヨム検索画面にいろんな方法で入力していくと、ぐっと引き寄せられる魅力的な小説がたくさんあるではありませんか。
目は疲れるけれど、こうして読もう、と思いました。
そして、その感想を書こう、と思いました。
感想を直接言えるって、普通の読書じゃ、なかなか叶わないことです。書く時、震えますもの。イチファンでしかないわけですから。
あ、でも、図書館でしか出会えない本たちの存在も、もちろん忘れたくない。
司書さんが書庫から探し出してくれる、古い本の匂い、また嗅ぎたいです。