倉谷みこと

　高校二年生の佐久山陽人が先輩の福島和貴と一緒にミステリー研究同好会の部室に入ろうとした時、「これは事件なんだよ！」という声が隣の生徒会室から聞こえてきた。 　室内をのぞくと、…

　翌日に恋人の誕生日を控えた9月24日。僕、香川優樹は誕生日プレゼントを買うために近所のアクセサリーショップに来ていた。悩んだ末に、紫色と黒の二色使いのレザーブレスレットを購入す…

　人間、獣人、龍人が住む世界、エバーフィールド。緑豊かで穏やかなこの世界を、クーレル・アルハイド、アルフレッド・ノーブル、カミーラ・ウィルコンフィーの三人が、自らの復讐のために壊…

ある日の夜、浴室で頭を洗っていた私は何かの気配を感じた。その直後に見えたのは、尻尾のない白い狐の姿だった。 片田舎とはいえ、住宅街に狐はいない。ましてや、屋内で出会うはずもなかっ…

「第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部　一句部門」に投稿の俳句です。 初めて書いてみました。

　私が通う高校で起こった話。 　昔、みか、みちる、さきという三人の女子生徒が、教室でこっくりさんをやっていた。 　こっくりさんに帰ってもらおうとしたら、拒否されて『つれていく』と…

　フランチェスカは、15歳の誕生日に祖母から砂時計のペンダントトップがついたペンダントをもらった。それをひと目で気に入った彼女は、寝る前に満月の光にかざして砂時計を逆さにしてみた…

幼なじみである北川真梨恵の命日に居酒屋に来た俺は、焼き鳥を注文する。 そこで、生前に彼女が好きだった食べ方でつくねを食べてみた――。

【「戦うイケメン」中編コンテスト、中間選考通過作品】 　二階堂誠一は、妖狐の蒼矢（そうや）とともに便利屋『幽幻亭（ゆうげんてい）』を営んでいる。 　そんなある日、助けてほしいと…

【カクヨムWeb小説短編賞2023中間通過作品】 　五月半ばのある日の放課後、私、椎名真奈美は親友の神坂恵とこの後どこに行こうかと話をしていた。 　すると、 「そのストラップ、か…

私、山瀬知花（やませ　ちか）は、幼なじみで恋人の小倉洋平（おぐら　ようへい）の家に遊びに来ていた。 アクション映画のDVDを観終わった私達は、昼食に赤いきつねと黒い豚カレーを食べ…

　とある村に『狼の森』と呼ばれる森があり、こんな言い伝えがあった。 ――狼の森に入ってはならない。入れば、穢れに魅入られる―― 　親から子へと代々伝えられるそれにより、誰も森…

とある高校の近所に、魔女の家と呼ばれる洋館があった。 そこに住んでいるとされる魔女は、見る人によって見える姿が違うという。 高校生の充と京介は、そんなうわさの真偽を確かめるために…

霊やあやかしが見える『二階堂誠一』は、五年前に出会った妖狐『蒼矢』とともに便利屋『幽幻亭』を営んでいる。 得意分野は、主に幽霊や妖怪が絡んでいる事件。 「不可思議な現象でお困…

【カクヨムWeb小説短編賞2020　中間選考通過作品】 　深夜二時、駅の四番ホームに『冥界行きの列車』が姿を現す。列車の扉が完全に開くまでその場にいると、駅員らしき男に無理やり…

キツネが生まれて初めてもらったプレゼントは、人間の女の子からのハンカチだった。 しかし、キツネがうたた寝している間にハンカチがなくなってしまう。 探しても見つからず、諦めかけるキ…

愚かな男は紙とペンを取り、最愛の人への思いをしたためる。 ある決意を抱きながら……。

　中学生の山吹 真守は、夏休みのある日、幼なじみの三上 晴人と一緒に釣り堀に行く。 　その釣り堀には、『ぬし』と呼ばれる60㎝を超えるイトウがいるのだ。 　真守と晴人は、『ぬし』…