叙事詩と言ってるのは韻文で書かれた比較的長編の物語の事です。日本語の韻文とは七五調、八六調、といった一定の韻数律を守った文章のことなので、当代日本語詩の多くは韻文ではなく、あの文体で書かれると小説になってしまいます。従って、日本語の叙事詩を見かけないのは当然のことです。実際、日本に叙事詩は無いと断言する国文学者もいました。
叙事詩といえば英雄ですが、近代欧州では古代のネタに合わせる必要は無いという風潮から童話や日常生活を題材にした叙事詩も作られました。私もこれに習います。
題名で判る様に、設定は余所で公開中の別の叙事詩と共通で、ストーリーは全く別物になっています。
なんでわざわざこんな面倒な表現手段をとるか、というと、ひとえに好奇心から、と言うしかありません。
叙事詩を書くに当たっては、色々と調べました。主人公は目的を持つ。サブストーリーがある。好敵手がいる。仲間がいる。といったプロット上の定石。冒頭に詩の神さまへの祈りの一文を入れる。といった作法。守れる所は守りつつ書いています。
まずは1,000行を目指します。