「子分」と「弟分」という言葉は、一般的には似たニュアンスで使われることもあると思いますが、日本の任侠団体においては、このふたつは別物として定義されます。
まず「親分」という存在があって、その親分に従う者を「子分」とし、「子分」のなかで序列が高い人間を「兄貴分」、序列が低い者を「弟分」呼びます。
『剣雄綺譚』本文中において、やくざ者グリンの「子分」がグリンに対し「兄貴」と呼ぶシーンがあります。この「子分」という言葉が、日本の任侠団体と同じ意味で使われているとすれば、本当は「親父」「親分」などと呼ぶのが正しい表記になるかと思われます。
しかし、この作品中では「子分」という言葉は「誰かに従う人間、手下、部下」といった、現実のやくざの世界の定義よりもざっくりとした意味合いで使われているということをお断りしておきます。
わかりやすさや言葉の雰囲気を考えてのことですのでご了承ください。