いつもお世話になっております。丸深まろやかです。
さて、つい先ほど、『心配性で一途な彼女が僕をぜんぜん諦めない』が完結いたしました。
ご愛読くださった方々、本当にありがとうございました。
現在、後日談や続編の予定はありませんが、別の新作を準備中ではありますので、そちらにご期待いただければと思います。
作品について、少しだけ。
本作はかなり、いわゆる産みの苦しみがあった作品でした。
というのも、おもに中盤以降において、桜庭くんの葛藤というものが私の想定を超えて複雑になってしまい、読み味としてライトとは言えなくなってしまいました。
本来ならもう少し、ラブコメらしく楽しい作品にしたかったのですが、桜庭くんのバックボーン、性格、置かれた状況を考えると、彼の問題はしっかりと描かなければ解決できないと思ったのです。
結果として、序盤の雰囲気からは少し違った作風になってしまった感がありました。書いている時も自覚があり、どうしたものか迷っていました。ウェブ小説の世界ではあまりこういった作品は好まれない傾向にある、ということも日々感じていたので、それも迷いを助長していました。
終盤に実施した毎日三話投稿というのは、そういう事情を加味した方策でした。暗いところは時間を掛けずに進めたいけれど、内容を薄くしたくはなかったので、投稿速度を上げた、という感じです。
これが良かったのか、良くなかったのか、判別する方法はありませんが、結果的には私は満足しています。
本作の主人公、桜庭くんはちょっとした問題児でした。なにせ、頭は良いし理論派なのですが、根本にトラウマがあるため、メンタル的な自己防衛を一番に考えて生きていて、しかもそれに自覚がない。作中の地の文でも本心を隠しているため、本心がわかってからでないと納得できない部分もあったかもしれません。
こういうキャラクターは少なくないのですが、そのトラウマが明かされるまでに、けっこうの文字数を要しました。結果、途中で彼に拒否反応を示す方も少なくなかったのかなと思っています。毎日一話しか投稿されない、というスタイルがそれに拍車をかけることもわかっていたので、投稿頻度を上げたというのもありました。
ただ、桜庭くんのようなキャラクターは、共感できない人にはとことんできなくても、分かる人にはものすごくわかる行き方をしていると思います。だからこそ、彼を書いてみたくなりましたし、こうして書ききることができました。共感できた、という方が少しでもいらっしゃったら嬉しいです。
さて、長くなりましたが、ともあれかなり思い入れの強い作品になりました。
正直、連載中に『距離を置く方法』が書籍化のお話をいただいたときは、もう『心配性』を完結させる余裕はないな、と思ったものです。未完の作品を抱えたまま新しい作品を書くのは、私は気持ち悪く感じてしまうタイプです。始めたなら終わらせて、終わらせるならちゃんと終わらせよう、と思いました。完結までたどり着けたことは、ひとつ満足できたことでした。
ここからは新作について。
現在、苦戦しています笑
以前こちらで記事にもしましたが、新作をどんな作風にするか、どんな設定にするか、悩む日々が続いてます。
書籍化作業も本格化してきたので、そちらにもリソースを取られています。
できるだけ早く公開できることを目指していますが、納得いくアイデアが思いついてから、納得いくクオリティでお届けしたいというのが一番の本音です。
今のところ新作は、今作よりも明るくて、でも青春要素は強いものを想定しています。それこそ、『距離を置く方法』のような雰囲気にできたら良いなと思っています。
ただ、最近は文章を書いていても、あの作品が頭にチラつきますね。結果にもクオリティにもかなり満足している作品なので、あれに勝てないことにはおもしろい自信が持てない、という自縄自縛に陥っています笑
それでは、今回はこのあたりで。
改めまして、最後までお読みいただき、ありがとうございました。