【 補足 24.01.2021 】
本文の中で誤解があるかもしれませんので、一応、補足を…m(_ _)m
韓国の問題は「外債」なんですが、外債とは大まかに「外国人のカネを頼って建てる特別な借金」みたいなものです。問題は普通の国債と違い、「買ってほしいので、金利が高めに設定されている」のが普通です。つまり…
国債 ←短期は政策金利で、長期は表面金利+市場によって決定される。
購入者は自国民・外国人を問わない
外債 ←公募が基本なので、その都度、契約内容および購入者が違う。
購入者は、基本的に外国系資本
購入してもらいたいので、金利が通常の国債などよりも高いのが普通
…です。外債には政府が外国人向けに発行する場合もあれば、公団(政府系企業)が外国市場で起債するものもあり、多種多様で契約内容もその都度違います。
厄介なのは、国家破綻に関する「ドーマーの定理」という考え方で、「借金は、一円でも建てたら破産する危険が発生する」「債務総額の大小よりも、金利の方がやばい」という点です。借金総額は仮に10,000円ならそれ以上に膨れることはありませんが、金利は100%でも1000%でも100万%でも天井知らずで上がっていきますから…。
そのため一般的には「経済成長 < 債務金利」が続くと「借金を返せなくなって破滅する」と考えられています。そして外債はもともとの金利(表面金利)が高いため、この状態に陥りやすいと考えられているのです。実際、アルゼンチンがそうでGDPの50-60%分しか政府債務がないのですが、殆ど全てが外債のため、結果100年に6回も9回(テクニカルデフォルト含める)破綻騒ぎを起こしているわけです。ちな韓国は外債をすでにこの割合で保有しています。かなり厳しいでしょうね…。
実のところ、より重要なのは「外債は街金からカネ借りるような、無体な条件が付いている事もある」ということの方です。たとえば最初の数年の年金利は数%。しかしある一定年度以後はこれが10数%に跳ね上がる金利変動型だったり…とかの「普通の国債ではありえない」契約内容になってる可能性があるということです。
実際、この種の契約はギリシアがリーマン前に頻繁に行っていた契約であり、ギリシア危機の直接の原因となりました。当時、ギリシアが抱え込んだ債務は判っているだけで40兆円を超える規模であり、なぜかドイツがギリシアの償還不履行(デフォルト)を激しく嫌がり、中道左派と呼ばれるメルケルが「何があってもカネ返せ(# ゚Д゚)!」と共産党政権のチプラスを激しくカネで責め立てた事は記憶に残っているかも知れません(ただしチプラスは右派ポピュリズム政党の「独立ギリシャ人」と連立を組んでいたのですが…爆死)。つまりドイツの官民金融機関がギリシアもしくは全ヨーロッパの「カネのケツ持ち」をしていたということを暗示しています(爆死
こういう債務は当然、国家破綻のリスクを内在させるばかりか、当初の金利だけ見ると「とても安く借金が出来た」と言い逃れる事も可能です。後世に借金のリスクを付け回すことができるということは、債権を建てた時の政権批判を回避できるだけでなく、万が一の債務不履行(準不履行を含む)時において外国金融投資家という世界的に極めて大きな影響力を持つ勢力相手に、難しい債務返済交渉を延々と続けねばならず、大抵は多額のカネを失うことになります。
要するに、街金から高金利のカネ借りた。正当だが厄介な契約内容だった…という事が外債には往々にしてあり、後々、頭痛の種になり国力減衰や国家破綻の危険性を惹起するということです。ギリシア危機はそうした国力不足の国が分不相応に借金を重ねることの破滅的危険性を例示する内容だったのです。そして韓国の場合、常に問題になっているのは「外債の契約内容が開示されていない」ということです。正にギリシアの時と同じということです。確かに韓国は「ウリは3%程度の低い金利でガイジンからカネかりてやったニダよ!上手いことガイジン、丸め込んだニダ!!<ヽ`∀´>」的な、なんか勝ち誇ったようなタワケを韓国中銀だか韓国財務省の奴らが言ってたみたいですが…
…(゚Д゚)ハァ??
…てな感じですよ。「なら、なぜ契約内容を国会と国民に開示しないのか( ・᷄д・᷅ )?」という話です。
これは本来、議会制民主国家の国会において最も重要視すべき予算の問題であり、政府が主導した「将来において国家破綻を招きかねない重大な国家経営戦略」であるのだから、当然、予算審議は尽くされ、また国民の税金を投入する案件でもあるので情報の開示は必須のはずです。
おかしな金利変動型だったり、関税収入とか何か他の国家の資産を担保にいれての外債契約…とかだったら、これは契約内容を開示しないことはむしろ政府の犯罪であり、倒閣は当然であるべきだからです。この愚かさは国民を愚弄する行為でもあるのですが、韓国はカネや借金に関して、この「内容を開示しない」ということがやたらと多く、内容がわからないばかりか(多分、連中にもわからなくなっている。情報開示がない場合、往々にしてそうなる)リスク評価もできにくいというリスキーな国家に成り下がっています。
債務破綻は主に債権の金利負担が大きくなりすぎることで発生する…という事を考えれば、金利に関する徹底した情報開示およびリスク回避の手法について明言がなければ破滅する…というのも必然です。つまり、そういう政府は「何か重大な事を隠している」と判断されるべきなのです…( ・᷄д・᷅ )
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このコラムの内容自体は2018年と古いもので、そのときにはまだ韓国も景気が良かったのですが、2019-20年と米中貿易戦争→新コロという未曾有の危機を迎えたため、韓国に特に問題がなかったとしても相当厳しいことになってるのではないかと推察出来ます。
もともと韓国のリスクは李・朴の保守政権時に推し進めた不動産価格上昇を目論んだ財政投資の結果で、このため不動産バブルが発生して多額の債務を韓国民間が抱えるようになりました。不動産バブルの恐ろしさは我々はよく判っていますが、ここに米中貿易問題+新コロという人的・経済的大打撃を受けたのですから、今後は予断を許さない厳しい状況に陥ることはありえます。
検証したいのですが、そもそも新コロの大混乱で基礎データが出てこなくなり(これは世界各国で言えること)、また筆者が在日や韓国朝鮮人ではないので現地の言葉もデータも理解できないという事で放置しているだけです。本来は徹底的に調べて置かねばならないことなんでしょうけど…(:_;)
文大統領は前任者の負債を背負う立場になったことは、ある意味、気の毒です。しかし、そもそも国内市場の強化→国民を豊かにするという金融財政政治政策に失敗しているというのなら、その責任はあるでしょう。
これは我々日本も考えねばならないことです。「米国は国内市場が強い→国民が使えるカネが潤沢にある」ということであり、日本の竹中平蔵による一連の失策のせいで国民所得が落ち込み、特に中間層が凹んでしまったというのなら、日本も厳しいということです。
韓国は世界経済のカナリアという極めて重要な国です。彼らを研究して、我々の豊かさに活かせるようにすべきと思うのですが…
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本文元記事
「なぜ韓国は必ず破滅するのか?(前編) ←一次所得のバランスが圧倒的に悪いから」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054884987864/episodes/1177354054886542064