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「おその惣助物語」への感想

桐生甘太郎です。このたび、「【歴史/時代】大正時代までを舞台orモチーフにした作品、集まれ!【感想書きます】」という企画イベントに参加させて頂きました。

企画主様がお望みとのことで、冒頭1万文字以内に登場する一番好きな人物と、好きな台詞、それから想定する読者を挙げます。


好きな人物

「源五郎」

1話では、「四十男」としか書かれていませんが、いわゆるいい人といった性格が好きです。


冒頭1万字以内での好きな台詞は以下のものです。

「雨に降られたと、爺たちから聞いた。…お前は普段から、あまりものも食わずに畑へ行く。それは“始末”という目で見れば、獲れたものを食いつぶすこともなく、よいことかもしれぬ。しかし、それだから少しのことでそんなに体を壊してしまうのだ。真面目もいいが、もう少し元気をつけなさい。これ、ここへ…」

こちらは庄屋さんの台詞なのですが、場面としてとても好きです。

具体的な想定読者としては、「落語が好きな大人の方」に読んで頂きたいです。私自身が落語好きが高じて歴史小説に挑戦するようになりました。恋愛物語ではありますが、様々な思惑やしがらみが交錯するので、大人の方の方が受け止めやすいかと思います。


ですが、私は今まで企画主様が条件としておっしゃった「基本的な作文様式」を全く知らずに小説を書いていましたのでこのたび少し修正はしました。それでも条件に適っているかが私自身ではよく分かりませんので、読みにくくなっていましたら、申し訳ございません。

それから、この作品は人間関係が起こした悲劇の物語ですので、「歴史を生きた人々に捧げる敬意がしっかりとあるか」と言いますと、少し物足りないのです。

「これではいけない」と企画主様がお考えになりましたら、遠慮なく企画から削除して下さい。

それでは、よろしくお願いいたします。


4件のコメント

  • いやはや、なんてもん読ませてくれるんですか
    今までエントリーいただいた作品は、早ければ3時間以内、遅くてもその日中にご感想書いていたんですよ

    それが、当作はもう……本当に……

    惣助さん、純朴で真面目で優しくて、この上なく良い人なのに……!
    じれったいなぁ、もぅー! とか、初めのうちは微笑ましく読んでいましたのに……!
    死ぬことはないやん、死ぬことはない──!

    決定的に悪かったのは誰か、といわれれば、
    染二郎だとなるのでしょうが、
    登場人物のそれぞれが、少しずつ弱くて優しくて、貧しさがもたらす短絡さがあって

    惣助の清らかさが物語をより悲しくさせますね
    物語の進行と合わせて進む四季の描写も美しく、
    桐生さんが普段から持たれているだろう自然に対する眼差しを感じました

    桐生さん、繊細な感性の優しい方なんだろうなぁ
    文章の書き方から、他人に対する配慮をヒシヒシと感じます
    読者に対する姿勢として、本当に尊敬すべきものです

    その心を支えるのが、構成、人物描写、心理描写などの技量ですね

    あなたに読んでほしいと捧げられた物語なんですから、
    その真摯な語り口調だけでも、すでに心を揺さぶりにきているんですよ
    加えて、美しく優しい筆致で丁寧に進められるお話、しかもそれがやるせないときたら、
    名作になるのは道理です

    よりスマートな文章表現へと磨き上げる余地はあるものの、
    それを私から指摘してしまっては、桐生さん独特の柔らかさ、飾り気のなさを奪ってしまうことになります
    何度も何度も読み返し、読み上げ機能などを用いて耳でもリズムを確認して、
    ご自身の「らしさ」を追求してください

    新たな作品がとても楽しみです
    今回はご参加ありがとうございました
  • ええっ!?そんなに絶賛して頂けるなんて思いもしませんでした!小鹿さん、有難うございます!評価も頂けまして、嬉しいです!それに、こんなにこの物語の性質をたくさん言葉にして頂けるとは思いませんでした!凄いですね!

    そうですね、誰も彼も皆優しくて、どこか足りないところを持っているものだとは思っています。足りないと言うと変な言い方になるのですが…。

    それから、小鹿さんのおっしゃった「貧しさのもたらす短絡さ」ですが、これはもしかしたら、あの時代はよくあった事なのではないかとたまに考えています…。小鹿さんのおっしゃるように、死ぬことはないはずなんですが、心の中でそう立ち戻ることも困難のような…。

    やはり私の文章は少々読みづらかったでしょうか、すみません!小鹿さんからお教え頂きました文章磨きの方法はとても良いと思うので、やってみますね!

    小鹿さん、長々とご辛抱頂きまして、有難うございましたm(_ _)m
  • 文章が読みにくいということは、決してありません
    端的でありながら、漢語を多用することのない語り口は、とても読みやすいものでした

    私が気になったのは、例えばこの一文

     惣助は、じっと甚平屋の中を覗いて、店の中にある縁台に座り、客と話をしているおそのを見ているらしかった。

    「甚平屋の中」のすぐ後に「店の中」がきていますよね
    この重複は削れるだろうなぁ、とか、そんな程度です

    後半にいくにつれて、そんな目を持って読むには惜しい良作だぞと、添削目線は捨てました
    捨てても良いほど、些細な点です

    当作は、今回のイベントでエントリーいただいた作品中、もっとも評価したい(偉そう!)作品でした
    話の長い人間なので、短い文章にまとめられる自信がないのですが、
    後ほどレビューを書かせていただきます!

    「貧しさのもたらす短絡さ」とは、私もよく考えます
    貧すれば鈍する、との意味も大きいでしょうが、
    教育投資に回せる資金、これを親が持ち得るかによって後天的賢さが左右され、その子自身の生涯年収や心身の健康に関わる
    この現状は、どうにかならんもんでしょうかねぇ……
    と脱線、失礼しました

    それでは、また後ほど
    すてきな作品をありがとうございました
  • 早速丁寧な回答をありがとうございます!わかりました!気をつけますね!
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