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「千紫万紅」

要は一言で言うと「彩」です。千紫万紅(せんしばんこう)と言います。

https://kakuyomu.jp/works/16817330648437826400/episodes/16817330648437836825

表現が~とか言うとこのように難読漢字になりますよ。だから春は命が賛美しという平易な言葉なのです。だって『ベルダーシュの勇者』って中学生向きだよ?こんな難しい言葉でいいのかね?

紅って付いてるから秋だと思う人。違います。これは紅色の花が咲き乱れる「春」の四字熟語なのです。やや日本離れしている感覚の四字熟語なので使用させていただきます。北米の春の様子にぴったりです。

ちなみに「暗香疎影」(あんこうそえい)だともっと美しい言葉に見えますがこれは特に(春の夜の)梅花の香りの事を言うのです。ですが北米を舞台にしている以上「梅」は出せません。実は中世の北米に「梅」は存在しないのです。東アジアから小アジアまでの樹なので。梅とかあんずというものは。今でもカリフォルニアを除いて北米の方は梅を好みません。なぜかソメイヨシノはワシントンD.C.で好まれるのですがね。

「暗香疎影」を絵に現すと……梅を消したらまんま聖剣伝説のOP画像です。

あんまり表現でガタガタ言うと難読漢字で収縮されてもっと人が寄り付かなくなりますよ。それって表現の自殺ですからね。

ちなみに夏は「活発艶麗」としました。別に夏と言う意味は本来1ミリもないですけど「生き生きとしてしなやかで美しいこと」という意味なので「夏の四字熟語」にしてもいいじゃないかという文芸的提案をいきなり冒頭ですることにしました。俺の表現力をなめんじゃねえぞ。


大人の感覚でラノベを評価するとラノベという文化、潰れるよ? マジで。君が中1・中2だった時にどういうものを望んでたか思い出してみてよ。

やっぱ、ラノベという文化は滅びるのかな?こどもおじさんと共に。児童書の方がはるかに「ラノベ」ですからね。今の時代。

例文を出します。

『きみと100年分の恋をしよう この手をはなさない』(青い鳥文庫)
「朝日に照らされた海は生き生きと透き通った青に色を変える。たった今、目を覚ましたように。梅雨が明けた! きっとそうだ! 夏への扉が開いたんだ!」

まさに「ブルーライト文芸」です。今の児童書はもうブルーライト文芸です。主人公たちはもう高校1年ですからね。「青い鳥文庫」で、ですよ?

これがベストセラーの表現ですよ。なんら変わらない。こんなもんです。中高生が望んでいるものって。ちなみに舞台は鎌倉ですが実は江の島とか鎌倉って冬の方こそ海も空も青が透き通るのです。でも夏=海=青てイメージするやん。こういう表現にいちゃもんつけたら終わりです。ラノベは、終わったんだ。

そしてベルダーシュの勇者の冒頭の季節表現はこうなってしまった。
「春は千紫万紅《せんしばんこう》で満たされ……夏は活発婉麗《かっぱつえんれい》に満ち……秋は刻露清秀《こくろせいしゅう》で満たされ……冬は寒山枯木《かんざんこぼく》で満ちる大地。」

元の文章こうです。
「春には生き物たちが賛美し夏には生き物たちが盛り上がり秋には紅葉で満たされ、冬になると厳しい寒さが襲う」


こんな上のような文章求めるようになったらもう読み手の主力は50代です。こんな状況になったら終わりです。

今のラノベは滅んでつばさ文庫なり青い鳥文庫に役割を渡すべきだ。私は本気でそう思っている。

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