• 異世界ファンタジー

『霧』という題材について

 私の場合、文章を一度書きはじめるとしばらくの間は指をそれほどに止めることもなく、ぱちぱちとキーをタイプ出来るのですが、どうにも最初の書き出しが難しくてモニターの前でしかめっつらを作るばかりです。

 そういう時には昔のことだとか、ちょっとネットの海に潜ってみようだとか(自殺行為)をするわけですが、今回は近況ノートの更新をしてみようと思い立った次第です。

 さて、拙作『願わくば、霧よ』の作品世界内ではまさしく『霧』が重要な存在、あるいはある種のシンボルとなっています。その中からは魔物が現われ、自身らに害をなす『霧』を人々は恐れ、忌避する世界。

 私がどうして『霧』を恐ろしい存在として描いたか、その理由は数年前に行った家族旅行にあります。

 私は自分の都合で当初の予定よりも何本か早い特急電車で家へと帰ることになりました。宿泊をした宿は奥深い山の中にあり、その日は朝から濃い霧が出ていたのをよく覚えています。

 宿から特急電車が停車する駅までは送迎のバスが出ていたのですが、濃霧ということもあり、車内の席からは何の景色も見えませんでした。

 わずか先も見通せない霧の中を私と少しばかりの乗客を乗せたバスは走っていきます。私はその時に『霧の中はあまりに静かでまるで別の世界のようだ』と感じたのを今でも覚えています。
 明確に意識をしたつもりもなかったのですが、私はそれから心のどこかで霧を恐ろしいものだと感じるようになっていました。

 あれから数年、その思いは今でも強く私の中にあり、こうして自身が手掛ける作品に登場するまでになりました。

 日々こつこつと進行している『願わくば、霧よ』ですが、とても嬉しい事にじわじわとPV数が伸びています。
 自分が読んでほしいと思い、筆を進めた作品に目を通していただけるのは、本当に、本当に嬉しいことです。

 物語はこれからも続いていきます。
 皆様がまだ知らない物語を私は届け、皆様の心に残るような作品にしたいと思い、努力をしていきたいと思います。

 それでは、また。

 

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