私の職場は決して都会と呼べない場所にありまして、この季節はもう色とりどりの生き物たちがやってくるのですよ。
虫やら鳥やら爬虫類やら両生類やら哺乳類やら……。
職場は若い女の子が多いので、一応はその場の責任者の立場である私が対処するんですが、まあ慣れてしまえばどうということもないわけで、最近はすっかり虫の手掴みにも臆さなくなりました。流石に脊椎動物には軍手とゴム手袋を装備しますが。
つい先日のことなんですけど、始業前、最年少(23ちゃい)の女の子が、遠慮がちな声で、「あの、lagerさん……」と言ってきたので、ああ、例のパターンだな、と察しがついたわけです。
「ドアの外側の取っ手のトコにカマキリが……」
「カマキリね。はいはい」
カマキリは刺さないし噛まないし毒もないし、素手でいける。
私はもう業務の一環だと思ってやんわりとカマキリを掌に収めようとしたわけです。
そうしたら、カマキリ氏、何を思ったか私の手をすり抜けて太ももの上にくっついてきたんですよ。
おっと。
落ち着けベイビー。
ここで騒いだらロックンロールの始まりだ。
ステイクール。
ステイクール。
私はカマキリ氏を脚に乗せたままロボットのような足取りで外の茂みに近づいていきました。
そして、ゆっくりとしゃがみ込み、緊張を和らげるために無駄に厳かな演技を込め「さあ、お行き」と言ってみました。
カマキリ氏、飛び立っていきました。
それを遠巻きに見守っていた女の子が一言。
「なんかジブリっぽかったです」
やかましいわ。
そんな楽しい職場です!(^^)!
業務連絡1
『クズきん』第六部、もう少しお待ちください(/ω\)
来週には投稿始めます!
業務連絡2
奈月沙耶さんの自主企画にて拙作の批評を依頼しております。
奈月さん、宜しければこちらのノートに書き込みお願いいたします。