第十八章は、ファフニールの話です。
第十七章では、ぬいぐるみいっぱいの館を探検しましたが、
エピソード的には、とくにどこの神話をトレースするわけでもありませんでした。
ギリシャ神話から北欧神話への導入部ということで……。
神話の欠落部分から、
ベルゼビュート、ベルゼバブとも言って、超有名な悪魔の人が名前だけ出てきましたが、
実際には、この名前は、バアル神を貶す言葉から派生したのではないかという話になっています。でもこの物語では強敵として登場します。
さて、次はファフニールの話です。
北欧神話に出てくるリアルドラゴンです。本当にいたのかはさておき、
ファンタジー小説にはつきものの、ドラゴンです。ついにファンタジー小説の真骨頂!
ここにドラゴンスレイヤーも登場します。
シグルズと言って、ジークフリートとも呼ばれる英雄。歴史的には、本物のドラゴンスレイヤーさんです。
ただ彼はラグナロクには参戦せず、逃げるように違う国を旅するのです。その先は、アマノツルギノ物語では語られない外の世界です。
ここでは、彼が旅をする前の出来事、ドラゴン殺しのエピソードを紹介します。
彼はドラゴン殺しをする前に、海辺か川辺で、ちょっと不思議な人と出会うのです。それが何者なのかわからないのですが、
ドラゴンを殺した後、なぜか、シジュウカラや狼と会話できるようになってしまいます。そこで動物たちから養父の裏切りの秘密を教えてもらうのが神話の流れです。
つまり、この世界でシジュウカラや狼に変身できるのは、あの魔女だけ……。
というわけで、この神話はあの人を語る上ではたぶん外せない神話のはず。
そういうお話です。