第六章「赤い糸」まで書き終えました。順次公開していきます。ラビリントスから赤い糸までは一連のエピソードになります。
ヘルメス君の旅、メソポタミアからエジプトに行って、赤い糸ではクレタ島のミノタウロスです。
ミノタウロスの出てくる神話は、そもそも完全空想上のお話しです。由来となれる怪物も数世紀にわたる伝承により継ぎ接ぎによって創作されています。
ミノス王国の遺跡から、迷宮が連想され、牛を祀る習慣から石像が作り出され、それが怪物の姿として噂になって、ミノタウロスの神話が完成しました。
なので、ここに史実はありません。
今回は、どちらかと言えば、トロイア戦争の前日譚のような仕上がりを目指しています。
アフロディーテやヘレネ。アキレウスやヘクトールといった美女や英雄が出てくるのは、紹介ついでです。この後トロイア戦争が開始されて、登場人物も増えていきますので。
そしてトロイア戦争といえば、三女神の中で誰が美しいかを問うエピソードがありまして、その結果、ヘレネが攫われていきます。
ヘレネが攫われるエピソードがこの章で再現されますが、三女神のエピソードはありません。トロイア戦争といえば、アテナです。そのアテナが出ないとはこれは如何に? というところですが、彼女はヒロイン待機中です。勝利の女神というくらいなので、彼女の登場が渇望される中盤にご期待ください。
アテナは物語の最中に武装した姿で生まれます。その時に天体運動が逆転したりとたいへんなことが起こったと伝承にありますので……。
彼女が勝利の女神として登場するのは中盤の山場なのです。
今回は赤い糸に関連して縁結びの神様のお話になります。