• エッセイ・ノンフィクション

さいごには

別れ話をされるのにメイクをする。
せめて最後に映る顔は綺麗でありたい。
いつもより、丁寧に丁寧にメイクする。
何度も何度も涙が伝って、
その度に目元のメイクをやり直し、
涙を隠したメイクでドアを開ける。
貴方の顔を見た瞬間に、
そんなものは意味がなくなって。
いつもより丁寧にしたメイクも、
涙を隠したメイクも、全て涙が流していく。
きっとこの涙色のラメが1番私を美しくすることを
私は忘れていた。

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