今週の公開内容
誠の友情は真実の愛より難しい「TSドリームPart2」
男が女になっているという夢世界にて。
スメラギ・真琴が登校してすぐに出会ったのは同じクラスの二人だった。
「よっ、はよー。宿題見せてくれよ!」
フジ・裕也は巨乳の元気っ娘だった。赤髪のショートは変わらないが、形が女性らしくなっている。青い瞳はくりっとして愛らしい。
ミニスカは嫌だったのか、体操着のジャージにタンクトップ、素足にスポーツシューズだ。
上目遣いに両手を合わせての懇願。気のおけない幼馴染み少女がいたら、こんな気持ちだろうか。真琴の思考が若干ラノベ方向に傾いた。
「駄目だよ、裕也。まこちゃんに迷惑かかっちゃう」
裕也の肩にしなだれかかるように、ハセガワ・広谷が声をかける。その声色には艶があったが、それ以上に呼び方の変化に気が逸らされかけた。
肩まで伸ばされた茶色の髪は真っ直ぐに整えられ、枝毛一つ見つからない。黒の瞳は常に濡れており、白い肌ながら頬は赤く染まっている。
制服は規定通りに着こなしているが、随所にフリルやレースが見受けられた。女性らしさが増す中、背中に走る悪寒。
「ね、まこちゃん。今日も素敵な黒髪だね」
じっと見つめられ、蛇に睨まれた蛙状態になる。獲物としてターゲットされたのは明確だが、それがどういう意味かまでは把握しかねた。
「なるほど、広谷殿はこちらでは百合趣味でござったか」
「百合の意味はわからないけど、まあこの世界で一番馴染んでいそうだね」
背後からの覗見捕捉に対し、真琴は適当な感想で茶を濁す。
元から仕草や小物の趣味が女性に近しいものであったのを把握しているため、違和感がない。あって欲しかったが、ないものはない。
「ちなみにこれまだ続くの?」
「登場人物が多すぎて把握するための図が広いことに涙も止まらぬ故に」
要は一定以上の人物が出るまで終わらない悪夢である。
悲しい事実を真琴は察知し、一刻でも早く覚めて欲しいと願うのであった。