文丸くじら

表裏編二話目です。
個人的には白鳥デネブが面白いキャラになったので、少し気に入っています。



複雑な恋心を編み上げて、恋模様。
晴れやかな空色を織って、空模様。

ああ、なんて綺麗。神々も満足な出来。
でも足りない。とても足りない。

だって貴方がいない。一年に一回の逢瀬はまだ来ない。
約束の日が遠く、かたんことんと機織りの音だけが時計代わり。
早く会いたいのに。溢れる川さえ越えて抱きしめたいのに。

それも終わり。ようやく望みが叶えられる。
恋する乙女は無敵。星天さえ落としてみせる。
だから待っていて。私は必ずやり遂げてみせるから。

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