五月某日。愛用しているWindowsのメモ帳(文字を置くだけならば最高だと思っている)が迫る暑さにより突発的な停止を何度も食らい、書いていた文の大半を失う悲しみに明け暮れた時である。そろそろテキストエディタとかでお洒落に文章書くのも素敵じゃない?という悪魔の囁きが。
なにを隠そう、機械音痴。ショートカットキー? そんな便利な存在を知っても活用できるかは別なんじゃい!! とりあえず自動保存、もしくは自動バックアップ!それだけでもほしい!! 欲を言えば横とかにメモリとかないタイプの方が集中しやすい!(数字がチラチラ目に入るのは好きじゃない)とおすすめ記事を漂流していた。そりゃもうサクラエディタさんなどフリーソフトも一通り目に通してみた。すると変換ツールも拘るといいらしい、と。ほほう、と夕焼けが消えて夜になっているのも忘れて、どんどん泥沼に。目が限界だ。なんかもう、どうでもいい気がしてきた。人間の集中力とはこうも切れやすいのか。というかサイト備え付けの文章入力補助ツールとか、優秀なのがすでにあるじゃないか……最早腰が痛いその時だった。
文章において「!」や「?」の後には全角スペースを入れるんだゾ☆
──そうなの? 三点リーダーとかダッシュに関しては二つ繋げるのをつい最近学習したばかりだというのに、文章の礼儀とはまだあるらしい。なんと奥深い。さて困ったことになったぞ。今初めて知った。すでにスチマギ、ミカミカミ、まこゆう、バシクラなどには感嘆符が多く使われているというのに、そんなルールも知らずに「読めればいいのだぁ、ひゃっはー」と言わんばかりに重ねた文字が数十万に及ぶ。絶望的だ。一体誰がこんなことを……私だ! と脳内でボケ合戦が始まる。
さらに問題が発生。私の作品を読んだ方にはわかるかもしれないが、私は基本的に誤字脱字が多い。それはもうアップロードする前に読み直し、アップロード後にも読み直す。だというのに消えない間違い。寝る前にうっかり誤字脱字を見つけてしまうと、他にもあるんじゃないかと自主的安眠妨害という大変残念な末路が待っている。
これはもうテキストエディタでお洒落にキメている場合じゃない。テキストエディタで数十万の中から誤字脱字などを含めた文章校正をしなくてはいけない。一体何ヶ月費やすことになるのか。それでもこんなうっかりな性格では全てを除去することは難しいだろう。希望はどこにもないのか。名前を鯨丸ではなく、誤字脱字丸に変えた方がいいかもしれない。あらやだキャッチーなお名前じゃないですかぁ☆と若干の現実逃避。
しかしなんか偉大な存在は我を見捨ててなかった的な展開が私を待っていた。というか、あまりにも憐れすぎて泣けてきたのかもしれない。だが差し伸べられた救いの手はがっつり掴んで離さない。むしろここで機会を逃すと、本格的な寝不足の世界へようこそ愚か者、みたいな感じになる。
そろそろ本題に入ろう。この世はお金で解決できることが多い。いきなり生臭い出だしだが、これには訳がある。一太郎というソフトを知っているだろうか? すでにパソコンに付属しているという人もいるだろう。簡潔に述べよう。
一太郎の文章校正ツール超便利。
もうこのに一言に尽きた。校正ツール内にある小説設定を選ぶと、ソフトが自動的にここ間違ってるぜ親分みたいな感じで教えてくれる。一万文字内で百ほどの間違いを数秒で教えてくれる。むしろこれは手厚い美人寮母さん、いいやグラマラス美人教師なのか!? いいや、神である。と五体投地。しかもここを訂正するには、こんな候補があるよと教えてくれる。これはもう夢を見ているんじゃないかと、疑心暗鬼に駆られる。
さらに購入するとATOKという変換ツールまで付随するらしい。至れり尽くせりとはこのことか。なんかもう小説を書く人を駄目にする、むしろ堕落させる勢いだ。あまりにも便利すぎて、これは語彙が増えるんじゃなくて減るな。退化の一歩だ、と危機感は覚えていた。
しかし! しかしである!! 数秒で誤字脱字、あらゆる文章の体面を見てくれる! この誘惑には勝てない!! そんなもうらめぇっ!! と即墜ちとはこういうことかと自らが追体験。
明らかに文章校正の効率が違う。人類はここまで進化していたのか、とタイムスリップした猿の如く。やっぱりここまで文明進むと惑星支配も夢物語じゃないのかも、とあまり覚えなくていい危機感を抱く。
なんかもう……すごい。私が年単位で抱えていた悩みは人類の発展とお金で解決したのだ。わーお、大人って汚いね! みたいな気分にもなってきたが、背に腹は代えられない。
というわけで手始めにスチマギの一話目を校正しました。今から他の作品も「なろう」の掲載しているのと併せて大型校正作業開始でございます。地獄はここからだぜ、ベイビー。しかし安心しな、俺がついている、という感じで頼もしい一太郎さんの力を借りて、数十万の文字との戦いに出ます。
ちなみに他にも便利な機能があるんだって。すごーい、君は物書きを駄目にするフレンズなんだね! など普段は手を出さない流行のフレーズに手を出す始末。それくらい便利な世の中になったということですね、ありがたいことです。
でも試しにダウンロードしてみたフリーソフトでも便利なのはいくつもあったので、ここらへんは好みが分かれるところでしょう。そこは自分で探すのも楽しいことだと思うので、これから文字を書きたいという人はテキストエディタという単語を憶えておくだけでも便利ですよ。
それでは、今日はここら辺で。校正祭りじゃーい!