2/15:Music for Airports

クーリエジャポンが会員限定の記事でブライアン・イーノへのインタビューを掲載していたのだが、どういう僥倖かYahooニュースに転載されて読めるようになっていた。

本文を引用しながら前置きをすれば、彼と知り合って長いIT評論家エフゲニー・モロゾフが、NFTについてのイーノの意見を聞き、暗号資産関連の技術が持つ政治的な意味合いについて語ってもらったのだそうだ。

ブライアン・イーノは暗号通貨関連の技術についても、
「『このテクノロジーを使ったら何ができるだろうか』という話で盛り上がっているわけですが、それは『このテクノロジーをどうやって使えば世界をよりよい場所に変えられるだろうか』という意味ではなく、『どうすればこのテクノロジーをお金に変えられるだろうか』という意味合いになってい」ると語り、

続いて「リバタリアン」にあふれたこの世界について、『自分に利益をもたらすものなら、それは世界全体にとっても「正しい」と自動的に考える人が普通にいます』という。

おそるべき分析力。膝を打つほかない。

NFTについても批判的態度であるが、特に『この新しいテクノロジーは「プルーフ・オブ・ワーク」といって改竄をできないようにする作業のために膨大な量のエネルギーを使っている』という意見には目が覚める思いだった。

なんだかおかしいようなと訝しんでいたことに対して、強烈な答えのひとつを提示してくれた。


今月は、旧正月かつ新月でもある歳月の幕開けに、楳図かずお→少女マンガ彫刻→おかんアートと展覧会をハシゴして頭と心をめちゃくちゃに揺さぶられ、「アート/芸術とは何か」という果てしない問いの沼に落ちていた。

そこへ現代を代表するアーティストの一人から解を授けられた気分だった。
『私にとって「作る価値がある」というのは、「世界に価値を付加できるもの」という意味です』

アートとは、そうだ。そうなのだ。
世界に価値を付加できるかどうか、なのだ。

その意味を深く、深く、自らの内側へ探り込んでいかねばならない。ものを創るとは、その作業に他ならないと思った。

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