ふと自分が、こわいと、そう思った。
生きる意味も死ぬ意味もわからないけれど、消えたくて死にたくなくてたまらない。ただ逃げたいのかもしれない。
ただ私でも疑うくらい、恐ろしい何かがこみ上げてきて、薄気味悪い笑みを浮かべている自分を、見てしまった。その瞬間何かがぐにゃりと歪み、私は戻れなくなっている。
一体、私はきっと可笑しくなってしまったのかしら。
本を読んでいる間は心が落ち着く。ストーリーに没頭していれば自分は無となる。ただ読むだけ、気にしない。そんな味気ない、あるいは不思議な読書をして、平静を保たなければ。
何かが暴れ出さないように。