糖尿病で入院したりガンになって手術したり、んでもってまたガンになって顔面変形してしまった我が愛しき猫ちゃまが今朝、亡くなられ申した。
15年……大往生と言って良いものなんだろうか、長らく淋しい自分と一緒に過ごして来てみたものの、ヤツには自分の不甲斐なさから辛い思いをさせてしまったと思ってる。
最期の最期、ヤツが発した声は噴気音と威嚇するような唸り声であった。時間が時間だったし、病院も開いてなかったから楽にさせてやることもできなんだ。やはり最期の痙攣するようなあの発作は辛いものだったんだろうか。
痙攣する度にポロポロと米印から転がり出てくるうんうんが気になって仕方なかったのも事実。とはいえ壮絶であった。やっぱあの唸り声は自分に対してだったんだろうか。
不思議に思うだろうが、自分の半分だと思っていたヤツが死んでしまったと言うのに今の所、悲しいとか寂しいとかいう感情は無く涙も出ては来ない。至って平常だ。小説だって更新しちゃうくらい。
これが自分の心が冷めてるからなのかどうかは分からないが、実感が湧いていないと言われればそんな気もする。
埋葬するための穴を庭に掘り終わったので、これからヤツを埋めてやる事にする。深い深い穴だ、何かに掘り返されるようなことはないと思う。狐とか狸とか。自慢じゃないが人間ショベルカーと化した自分の最高傑作な墓穴と言える。
ヤツを収めて、土をかけてやれば、そうすれば自分が酷いやつなのか単に十五年の歳月が別れの実感を遅らせているだけなのか分かるかもしれない。出来れば後者であってほしいと切に願う。
しかし一人で横になる布団というのは落ち着かないもんだなァ……