私は、中学校一年生くらいのときに親から教えられるまで、サンタさんのことを『毎年クリスマスイブの夜に何でも好きなものをくれる万能おじいさん』だと信じてつゆほども疑っていませんでした。
小学校四年生頃のサンタさんへの手紙では、『魔法の○○が欲しい』などと書いてしまうほど。
小学校の高学年になると、同級生の中には「オレはサンタさんの正体知ってるぜ~」みたいな話をする子もいましたが、私は「まったく、この人たちは何を言っているのか」と、気にも留めていませんでした。
その一方で、学校の宿題や授業にものすごく真面目に取り組んだり、ルールを厳守しようとしたりするという――。
振り返ってみると私は、半分は夢の中にどっぷり、もう半分は現実世界にどっぷり浸かったような、そんな子供でしたね。
……『でしたね』なんて書きましたが、今でもそんなに変わっていないかもしれません。