あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします!
見直し作業の一環として書いている章あとがきですが、この先本編以上に長くなっちゃう気がしております……。本来は本編中で説明する方がいいんでしょうけど、説明や脱線過多になってしまいそうで悩ましいところです。というわけで(?)4章あとがきをどうぞ!
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ネタバレ注意
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オクシタニアの玄関口モルヴァナに到着。この後の移動が長いので、観光はしませんでした。モルヴァナはシュセイル東部最大の都市で、街の中央を大河が流れています。大河の西岸はお隣のオーヴェル男爵領に接しています。西岸は人間が多く住み、東岸は獣人の居住区。住民は特に獣人ですという宣言はしていないので、西岸の人々から見ると、東岸の人々は何となく排他的で感じが悪い印象のようです。駅舎は大河を渡った東岸にあります。
今回初登場のアンママは荒地の魔女のイメージで、毛皮に香水に孔雀の扇と、獣人に喧嘩を売っていくスタイル……セシル家の事情をご存知ないので仕方ないんですけどね。
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ライルさん豪快に見えて、実は結構心配性なのでは……な回。直径三センチのインペリアルトパーズ(雷の魔石)のブレスレットは、希少価値が高くお値段もかなり高いと思われますが、それだけで結納金ぐらいになっちゃうのではと……闘技大会で再会するのが楽しみですねぇ。
ちなみに、一回電撃を使うとしばらくは使えないので、ライルに充電してもらうか、窓辺に置いて二、三日ぐらい日光浴月光浴させて石を休ませます。
この回の最後、山脈の向こう側を見詰めるアルの目には何が映っていたのか。答えはこの章の最後の閑話のアレではないかと思われますが、アルがやったという証拠も記述も無いので……しかし、アルならやりかねないという信頼と実績の強火ヤンデレがちらり。
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冒頭のシーン、月森シリーズの前に落日の薔薇をお読みいただいた方には、あれかーー!!ってなったシーンではないかと思います。後にヒースが振り返るシーンがあるのでここでは一旦スルーします。
これを機に、ヒースの御印が一時的に活性化するため、森に居る間は常に太陽神の加護が付いている状態になります。(ただし、ヒースは魔法の使い方を知らないので使いこなせるかは別の話)
オクシタニアは大規模な隠蔽魔法が掛かっているため、上空から見ると盆地の中に森がギッシリ詰まってるように見えますが、実際は小さな村が森のあちこちに点在していて、広い農地や川や湖などもあります。
住居が大木の内部にあったり、村が大きな木のドームに包まれていたり、屋根が深緑の尖り型だったりと、徹底的に森に紛れるようにできているのも外からは見つかりにくい理由です。
オクシタニアの住人の99%は獣人(残る1%の人間はモルヴァナ西岸に住んでいます。森への立ち入りは許可されていません)で、夜目が利くため夜でも外で遊ぶ子供が多いです。
今回唯一の人間であるヒースは好奇の目で見られていますが、森の王様と一緒に行動しているので敵意を向けられることはありません。
どこかで入れようと思ってすっかり忘れたネタですが、森の中に現れる銀の樹の祭壇は、『月神の角』と呼ばれています。祭壇に向かって祈れば月神に願いが届くかもしれません。セラの願いなら喜んで叶えてくれるでしょう。もちろん願いの代償を支払わなければいけませんが……。
(改稿する時にこっそり追加するかもしれません)
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微ホラー回でした。
私が見たあの人は誰? 隣に居る彼は本当にアルなの?
森に入った途端ピンポイントで狙われるセラは、徐々に森に囚われていきます。
黒薔薇の花言葉は『憎しみ』『恨み』『あくまであなたは私のもの』『けして滅びることのない愛』『永遠』
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閑話シリーズ2話目。この回から完全にセラたちオクシタニア組とは別ルートとなります。
実は月森〜らくばらシリーズ通して、この回で初めてディーンの生い立ちに触れています。
アレクシウスとベアトリクスは恋仲でしたが、アレクシウスはフィリアスの母カタリナと政略結婚しました。そのためベアトリクスはディーンを連れて領地に引き上げてしまいますが、ディーンが五歳になった日にアレクシウス自ら二人を迎えに来ます。
そうして王城で暮らすようになった二人でしたが、その暮らしは常に権力争いの渦中にあって、とても窮屈なものでした。
その後ディーンは、母の死をきっかけに王城を出ることが許されたため、現在はアスタール侯爵子息としてエア島のタウンハウスを拠点にしています。タウンハウスには、母の時代に私設騎士団員だった者たちが使用人として働いています。
いつか自分も多くの人を傷付けて、“空の男”になってしまうのか。ディーンはそんな不安を抱いているのかもしれません。
そしてアンジェリカからの手紙の件。
この話は、22話のセラたちの一週間後の時間軸の話であることがわかります。では、23話現在のセラたちはどうなっているのか、答えは次章でご確認ください!