お久しぶりです。
こがれです。
皆さま、去年はお世話になりました。
どうか今年も応援していただけると嬉しいです。
私は無事に新年を迎えることが出来ましたが、災害や事故が続いて『おめでとうございます』とは言えないようなお正月になってしまいましたね。
私も災害によって住居が奪われた経験があるので、現在被災している方々の気持ちは少しだけ理解できるつもりです。
私に出来ることはありませんが、少しでも多くの方々が少しでも早く日常へと戻れることを願っております。
……あまり湿っぽい話を続けても気が滅入ると思いますので、おまけの話を書いて終わりにしようと思います。
おせちに入っていたおはぎを食べていたら、「そういえば『おはぎ』がおはぎを食べるシーンって書いたことがないな」と気づいたので、その話です。
ちなみに、私がおせちで一番美味しかったのはローストビーフでした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「じゃじゃん! 今日のオヤツはおはぎですよ!」
「ぐるぅ?」
牛巻がおはぎの前に小皿を置いた。
皿の上に乗っているのは一口サイズの小さなおはぎ――ドラゴンではなく食べ物の方である。
どうやら、牛巻のお手製らしい。
「そういえば、おはぎがおはぎを食べた事って無かったな」
「ぐるぅ?」
「ややこしいですね……おはぎちゃんも『何言ってんの?』みたいに首をかしげてますよ」
不思議そうに首を左右に傾けるおはぎ。
確かに、話を理解していないようだ。
「このおやつがおはぎの名前の由来なんだ。甘くて美味しいぞ」
「ぐるぅ……?」
おはぎはクンクンとおはぎ(おやつ)の匂いを嗅ぐ。
ぱくり。一口サイズのおはぎを口に入れるとあむあむと口を動かした。
「ぐるぅ♪」
悪くないらしい。
美味しそうに喉を鳴らしていた。
「俺も一つ貰うか」
甘いもので言えばおはぎは丈二の好物である。幼いころには母がよく作ってくれていた。
丈二は自身の皿に乗せられたおはぎを、箸で口に運ぶ。
一口かじると懐かしい甘みが口を包んだ。
なぜかは分からないが、普通のおはぎよりも何割か増して美味しい気がする。
「なんか、やたらと美味いな……?」
「お、気づいちゃいましたか?」
牛巻は『ふっふっふ』と笑いながら、アニメの女の子が描かれたエプロンのポケットからノートを取り出した。
ずいぶんと古いノートだ。
「この間、押入れの片づけをした時に見つけたんです。お義母様が残したレシピノートですよ」
「もしかして、それに載ってたのか?」
「そうですよ。やっぱりお袋の味が一番なんですねぇ」
「そうか……」
おはぎを見ると、三個目のおはぎを咥えていた。
どうやら、二個目は少し目を離した隙にぺろりと食べてしまったらしい。
「美味しいだろう。たくさん食べてくれ」
「ぐるぅ!」
元気よく返事をしたおはぎは、ガツガツとおはぎを平らげた。