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カクヨム甲子園プロット3/5本ノック

テーマ
・「キミは絶対に騙される」&中高生向け
・見た目は大事VS見た目で判断してはいけない


世界設定
・現代日本


キャラクター設定
*猿渡正良《さるわたりまさよし》
 二十九歳。頬に傷。常に黒サングラスを掛ける

*“わたし”
 一人称描写の視点人物。中学一年生

*宇佐見光一《うさみこういち》
 二十九歳。“わたし”のいとこで、猿渡の旧友。ちょい不良の大学院生


ストーリー
 “わたし”が中学生になって初めての夏休み、親戚の家に遊びに行くと、柄の悪い人が出て来るのを目撃する。濃い黒のサングラスを掛け、左頬にはばってんの傷。スーツこそ身に着けているがよれよれで、いわゆるやくざっぽく見えた。
 そいつが帰ったあと、いとこの宇佐見に尋ねると、「あいつは猿渡と言って学生時代の友人だが、何度も刑事の世話になり、刑務所を出たり入ったりを繰り返している。でも狡賢くて決定的な尻尾は掴ませない男だ」との答だった。
 どうしてそんな人と付き合いがあるのと聞くと、「学生のときに色々助けてもらったから、まあしょうがない」という。どんなことで助けられたのか気になったが、それ以上は聞けなかった。

 その後しばらく経って、不審者に声を掛けられた“わたし”は怖さと緊張とで動けず声も出せなくなる。そこへたまたま通り掛かった猿渡が二言三言ささやくと、不審者はそそくさと立ち去った。助かった“わたし”だが、猿渡が裏社会で力を持っているからこそ不審者を追っ払えたんだと考え、礼を言わずに逃げるようにして立ち去った。

 夏休みも終わりに近付き、宿題の分からなかったところを教えてもらいに、宇佐見を訪ねる“わたし”。部屋のドアを開けるとそこには猿渡も来ていて、宇佐見に掴み掛からんばかりの勢いで詰め寄っていた。
 いとこが危険に晒されている!と直感した“わたし”は、持っていた金属製の筆入れで猿渡の後頭部を強打。筆入れがへしゃげるほど強く殴ったが、猿渡はうめき声を上げただけで、振り返った。そして片手を“わたし”に向けて伸ばしたかと思うと――宇佐見の顔を見て言った。
「ほら見ろ! こんな風に勘違いされてるんだ! おまえのせいだからな!」

 猿渡本人が語ったところによると、彼は弁護士。宇佐見が言っていた「刑務所を出たり入ったり」とは依頼人である容疑者と会うためであり、「何度も刑事の世話になり」とは案件をこなす過程で当然あり得ることだった。先日、不審者が立ち去ったのも、猿渡が専門用語を駆使して追い払ったに過ぎない。
「じゃあ、その顔の傷とサングラスは?」
 “わたし”の質問に、猿渡は大きくため息を吐いてから答えた。
「頬の傷は、前に果物ナイフで斬り付けられた。僕が弁護して勝ったせいで、真犯人の奴が犯行がばれたってね。サングラスは、そのときついでに食らってしまったんだよ」
 サングラスを外すと、左目の周辺には青黒くて大きな痣ができていた。

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