あとがきを書くのが、随分遅くなりました。私は今二十六歳で、当時初稿を書き上げたのは十五歳だったと思います。思い入れが深く、そして、自分の力量不足が悔しく、中々作品の未熟さに向き合うことができませんでした。
今思えば、十分英雄的な、偉大な仕事だと思います。
この作品を書き上げたことが、全てのスタートだと思っています。
私が生きるためには絶対に必要なことでした。今の私は、色々な経験を経て、自分の居た場所が小さな泉だったことがよくわかりますが、当時はそこが世界の全てで、私は、もう少し状況が悪ければ、おそらく自殺していてもおかしくない精神状態でした。それを、物語を紡ぐということでどうにかしのぎ切ったのです。これを英雄的と言わずして、なんと言えばいいのでしょうか。
私の中の青い髪の少女、洸。そして、紅の髪の少女、紅恋。二人を、全てこの作品の登場人物全てを愛し、そしてそれが、今後の私の作品全てを作者として愛していくスタートになるのだと思います。
私は、自分を愛したい。だからこそ、この未熟な作品を大切な宝物としてずっと胸に抱いていたい。私にとって特別な少年、龍巳が洸とずっと一緒に居られますように。
紅恋は、罪人として黒衣と永遠に死の守り人になるでしょう。それは最初から思い描いていたイメージでした。
全ての登場人物に心の安寧あれ、と創造主の私は囁きます。自分自身への称賛を込めて。
もしも、この物語に触れてくれる方がいるのなら、その人にも溢れんばかりの幸せが降り注ぎますように。
私はこの物語を紡いだ十四歳の少女を、そして私自身を讃えます。
ありがとうございました。
(文中の年齢は、作品の手直しをした当時の年齢になります)