去年の五月からまったり始まった『引きこもり少女たちのゲーム日記』がなんやかんやあって終わりました。なんか気づいたら長編小説三本弱くらいの分量になってました。自分が書いたやつの中で、最長シリーズでしたね。
きりことゆいか、および他いろんな子たちとだらだらと『それぞれにとっての日常の中の苦悩』を書いてきたシリーズではありましたが、読んでいただいた方々には改めて感謝。
本当にありがとうございました。
以下、二回目のキャラ紹介です。ちなみに、多分登場キャラ数も最多な気がします。色々出せて個人的には満足。
※なんでも許せる人向けです。キャラ崩壊注意。
〇桐谷 霧子(きりこ):前半で乗り越えるべきことは乗り越えたので、結構、後半は少し頼りない物の、しっかりものだった印象の主人公。他に色々と想いが重い奴が多かったので、目立たなかったかもしれないが、充分重い。内面はもう書き尽くしたし、ゆいかにたいして言葉を隠すこともなくなった。おかげで、セリフをばんばん喋ってくれるので、作者的にはすごい助かる子。伝えるべきことは伝えたから、あとは信じながら歩くだけ。そんな感じで歩ききってくれたので、よかった。今年からはとある大学の社会学部心理学科の一回生。社会人になったら、ゆいかともどもまたどっかで顔を見せてくれるかもしれない。
〇永山 結華(ゆいか):後半部分の実質的主役。前半部分では意図して、ゆいかの暗い部分にはあまり触れてこなかったため、後半で過去が解ったあたりで一気に落差が出てきた子。本心の吐露まで、おおよそ半年かかっている。なので、作者的には『ようやくこのことを語れる……』と感無量だったりした。関心や愛情が極端に狭い子なので、その分、突き詰めた趣味や愛情を創り出しがち。ただ、きりこと出会うまではその対象に恵まれてこなかった。『自分が世界で一番、愛しているのだから。きりこに恋人ができようが、親友がいようが関係ない』と平然と言い切る。作中ベストオブザ想いが重い。とは、言いつつ、少しずつではあるが交友関係は広がっている模様。大学の友達からも『実はこいつかなり面白いのでは?』と、期待されているらしい。今年から、とある大学の文学部、国文学科。
●学友組
〇漆原 想空(そら):ツンデレ一号。元悪女枠。作中でも言われているが、それなりに諸悪の根源。それなりのことをやっており、別に罪が消えたわけでもないが、それを糾弾する人もいない。そんな、裁かれるべきだけど、裁かれていない。いつか、誰かにそのことを詰られたらどうしよう、という不安をそれなりに抱えて生きている。……という重い話は本編でしてた方がいいような気もするが、あまりに脱線が過ぎるので、そろっと流された。今の高校を選んだのは、自分を女王化させている人間関係をリセットしたかったのと、素直に喋れそうな場所を選んだ結果。13歳で推定30前後の大人を堕としにかかるとんでも少女。それを実現するだけの力をもっているのが、元悪女故。それなりに賢くないと悪は務まらないのである。弱点が極端に多く、船・飛行機・虫・お化け・先端恐怖等々が確認されており、一皮めくるとポンコツ女王として今日もみんなに慕われている。地元の大学の法学部に入学。成長過程が違っているが、亜衣の母親 (故人)と性格がほとんど同じという裏設定があったりする。
〇柳澤 亜衣(あい):いわゆる過去作主人公枠。過去には色々とあったが、今は目一杯幸せに生きている。どれだけやばげな事態に想定しても、『あの過去の危機に比べれば大したことはないのでは?』の精神で乗り切ってしまう、メンタルつよつよ女子。重い過去も結局は活かし方次第、ということを教えてくれる、ラブリーガール。育ての親のカウンセラーと離れ、遠方で勉強することを選ぶ。「信じた人の傍にいる」ことを選んだそら、「二人でともに旅立つ」ことを選んだきりことゆいか、「あえて離れて、1人の人間としての成長する」ことを選んだあい。別にどれが正解でもなく、たぶんどれでもいいのだと想う。またどこかで元気にやっていると想われる。ちなみに、向かった大学は保護者のカウンセラーの師匠がいる大学。文学部心理学科。『殺し屋さんと自殺少女』も読んでくれると作者は嬉しい。
〇森崎 澪(みお):インドアでギターを弾くほうの双子。一見何も考えてないよう、色々考えている。作中では基本的にお気楽、能天気という姿しか見せていないが。相応の葛藤を抱えて生きてきた。過去にとある人物に、『双子はいいな、同じ人間が別々の可能性を試せるようなものだ』と教えられてから、意図的に澪と零は別々の道を選んできた。とある日、父親の部屋のギターを偶々握ったのが、澪。たまたまそれを聞く側に回ったのが、零。始まりはただそれだけの差だったが、大学を機にとうとう別の道を歩き出す……。というはなしがあったのだが、これも蛇足が過ぎるので、本編ではカットされる、なむ。またどっかでやるかもしれない。この子が描いた歌が、まいの原点になっていたりするという与太話があったりなかったりする。地元の大学の経済学部に進学する。
〇森崎 零(れい):アウトドアでギターを聴くほうの双子。一見何も考えていないようで、それなりに考えていない。ノリと勢いの権化であり、こっちは割と見た目通りの精神構造。というより、正確には、独立した自分を持ち始めている零と、それはまだ受け入れられず同調しようとする澪という構図だったりする。澪とは基本的に別々の選択を意図的にして、それぞれが違う世界を見て、それをいつか澪と共有することを楽しみにしている。お互いがお互い、『自分の片割れは自分には決してできない何かをしている』と考えている。どうでもいいが、学友組での運動能力は、亜衣、霧子、零が上位組であり、器用さこみで霧子が競技系で頭一つ抜けている。
〇山川 悠馬(ゆうま):さらっとバイのカミングアウトしただけの常識人。軽薄そうに見えて、それなりに懐の深い男。いわゆるツッコミ枠であるが、一応こいつも過去作主人公枠。過去に内面を描写したことがあるので、亜衣同様、作中ではスポットライトの当たり方は控えめ。実は短編を含めると、四作ほど登場している。多いな、おい。『好きになった奴が男なだけだよ』も読んでもらえると、作者は喜ぶ。浪人して春から、予備校。
〇松笠 祥元(しょうげん):さらっと変態発言しただけの仏教徒。軽薄そうに見えてそれなりに軽薄な男。合理的、という名のいわゆる生臭坊主である。物語的に必要かどうかはわからんが、作者が生臭坊主が好きなので必要なのである。うん。地元の仏教系の大学の文学部仏教学科に進学。
〇かみやん:わかりやすさに命をかけた数学教師。お化け屋敷では、完璧な軌道計算を行い生徒の身体をぎりぎりかすめる包丁発射装置の開発に勤しむ。さすがに一部生徒 (主にそら)から苦情が来た。
〇塾の先生:13の教え子に篭絡されただめ教師。諭すところまでは決まってたぞ、諭すところまではな。性別がシュレディンガーのネコ状態であり、性別を観測するまで、男女が決定されていない。つまりはいまの状態だとどちらの状態でも使用可能。違う作品で出てきたら、果たして作者どうするつもりなんだか。亜衣の母親にかつて虐められていたという裏設定があったりする。いじめの手法が同じなのはそのため。
●ゲーム組
〇橘 桂華(けいか):ツンデレ二号。ツンデレの内面が露骨に複雑な設定成当たり作者の、ツンデレ好きが如実に表れている気がする。元親友枠。作中ではきりこと一度離れたことで自分の気持ちを自覚し、より重度の高い想いを生成することに成功する。ただ重度が高すぎて、そこに焦点を持ってくるとまた別の話が発生してしまうジレンマと常に隣り合わせの子。もうこいつが主人公の話が一本あったほうがいいんじゃないか。一応、作中でぼかしてはいたが、きりことの和解には成功している。ただ、和解どまりで告白には至らず、大学生になってもラインなどでたまにやり取りはしている模様。ゆいかとのことは、仲のいい友達とルームシャアしてる、くらいにしか認識していない。なんかまだまだ波乱の予感がするなこいつ。とりあえず、どっかで報われてほしい。ただ霧子と仲直りできたことで、当人的には報われていたりする。地元の大学の情報学部に入学。ちなみに、そらと同じ大学。
〇浜崎 瑠衣(るい):今日も元気なハッピーギターガール。ゲーム内での役割が楽師であり、超攻撃型。ちなみに胸の攻撃力も最近上がってきており、山岸は夜な夜な無の表情になっている。地元の大学の経営学部に入学。
〇山岸 相馬(そうま):今日もクールなむっつりボーイ。ゲーム内での魔導師・楽師・書師は別に、けいか、るい、そうまを意識したキャラデザではなかったが、道化師=きりこ、の構図が出来た時点でキャラを一新して現在のそれぞれの形になっている。ちなみに、ゲーム内の書師はそれなりにむっつりで、そこんとこ自覚はある模様。飾らない俺でいたい。地元の大学の文学部に入学。
●家族のみなさん
〇桐谷 英佳(えりか):恐らく後半、もっともはっちゃけていた女子。女子である、うん。天下無敵な、いけいけかーちゃん、といった風情で登場こそしているが、じっさい兄との関係が上手くいっていない時はもっと余裕がなかった。きりこが飛び降りたときも、本当は余裕などなかったが、自分より慌てる旦那を見て。気を引き締め直す。『あの子は大丈夫、ちゃんと立ち上がるから。それにそれを乗り越えるのがあの子の人生なんだから』。『普通』のレールを外れることへの焦りは、兄の件でもう経験済みだったので、どっしり構えていくことができた。そう言う意味では、彼女もちゃんと過ちを越えて、今日という日を歩いている。作中でも言っているが、親しい相手にはオープンスケベであり、ありとあらゆる秘密を包み隠さず言いたい衝動をもっているが、かすみに旦那との情事を相談したら、『旦那が帰ってきていない、私へのあてつけですか?』と藪にらみされたので、さすがに封印している。最近の目標は登山系youtuberになること。
〇永山 華澄(かすみ):恐らく後半、もっとも葛藤し弱さと向き合った人物。ゆいかともども、二人で主人公のようになっていた部分もある。本質的には相応な親ばかであり、そこらへんの想いの重さはゆいかへとしっかり受け継いでいる。昔はなかなかのイケイケキャリアウーマンであり、世間の競争に負けるか、こなくそと踏ん張り続けた50年だった。結果、そこそこ擦り切れて、自分や娘の価値を他人との比較でしか見れなくなってしまう。ただ、ぱっと出てくる趣味が登山か水泳なあたり、基本的にはマイペースでゆっくりやるのが好きなのかもしれない。現実、この年代の大人が人生観を見直すのはそうそうできることではないので、周囲の助けもあったとはいえ本当に頑張ったのだと想う。書いてる中で、最初は弱さばかりであまり楽しくなかったが、徐々に変化していき書いてて段々好きになれた、そんな人。えりかが動画を撮ろうと誘ってくるが、映り込みたくないのでかたくなに撮影役に徹している。ただえりかが、撮影中も頻繁に話しかけてくるので、結局、出演しているのとあまり変わらない感じになってたりする。
〇桐谷 雄二(ゆうじ):実はちゃんと存在していたリアリティ父ちゃん。こうきが家を出たら少し寂しいので、犬を飼うことを検討中。
〇桐谷 昂輝(こうき):ノリと勢いで生きてきたにーちゃん。ただし、かーちゃんの方がノリと勢いで生きている感が強いため、常識人的なポジションに落ち着くことが多い。変人の中の常識人という奴である。常識人の中に紛れ込ませると、ちゃんと変人なので飼育には注意が必要。諸々あって悩みながら絵を描いているが、どうにか調子と自分の道を取り戻しつつある。彼女が出来たから、調子よくなったんじゃねーのかというのはもっぱらの噂。高校の頃にも彼女は一度できていたが、二か月くらいでほんのり別れた。このことは家族内ではきりこしか知らない。割と妹に対する秘密のガードは緩いが、きりこは家族内では漏洩しないため、そこは信頼されている。ただし、きりこは家族外には平気で漏らす。なので学友たちおよびゆいかは彼の失敗エピソードを多数把握しており、みおとれいに至っては会ったこともないのに、こうきにーちゃん呼ばわりしていたりする。当然、当人はそんなことついぞ知らない。美大で鋭意、製作中。ゲームのイベントシーンを書くような仕事に就けないか、色々と模索中。
〇永山 父:ついぞ作中では登場することのなかったイマジナリー父ちゃん二号。登場しない理由が理由なだけに、軽くいじってあげられない悲しい人。華澄とは違い自身が手を上げてしまったことが原因なため、素直に過ちを認め切れていない部分がある。それでも、ゆいかが学校に行き、大学に進学したことを聞くとどこか嬉しそうな顔をしていたりする。なんだかんだ、ちょっとずつ関係は修復していくものと思われる。独り暮らしになって、冷凍食品の生活が増えたため家を出る前より五キロほど体重が増えた。目下の目標は、妻と再会する前にダイエットを完遂すること。
〇福田 美嘉(みか):厳密に言うと家族枠ではないが、まあいいか。お前も家族になるんだよ。ネットの向こうのゲーム仲間だと思っていたら、なんか昂輝の彼女になっていた人。まじか。そもそも女だったのか。ちなみに、福田さんの性別を事前にちゃんと把握していたのは霧子と昂輝、あと霧子から連句らを引き継いだ桂華のみ。他のゲーム組はネットでしか接点がないうえに、まともに喋ってもいないので正体すら知らない。実はけいかたちと同じ年代の女子であり、芸大の受験についてや、離脱したきりこの様子など、昂輝に色々と話を聞いているうちに、恋が芽生えた。ネットで話すうちに、顔を見たくなり他のメンバーには内緒で出会うことに。なんでこいつら、本筋の外で普通にラブコメしてるんだろう。ちなみに以上の流れをきりこは全部ことこまかに把握しており、こうきも割とぼろぼろ話す。兄妹間限定で、情報リテラシーが低すぎる。ちなみに以上の経緯から、このラブコメも学友間でばっち共有さており、成就した暁には学友一同からお祝いのキットカットが届いた。縁起が悪いと愚痴りながら昂輝は食べきった。
……てなわけで、いろんな奴らの日常を織り交ぜて歩いてきた『引きこもり少女たちのゲーム日記』でした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。まだどこかでお会いできれば幸いです。ではでは。