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21グラムの慰めのあとがきみたいな

 近未来における、人の死のお話です。義体化技術や医療技術の進歩によって人の死そのものが徐々に無くなっていく過程の中のこと。人の死という概念が希薄になっていくごとに、人は死への耐性が無くなり、死を経験するごとに心が壊れてしまうような悲しみに苛まれる。精神の汚染を起こすその死による感情の揺らぎを抑えるために、政府が死者の代弁をする機器を生み出した。それは確かに遺族の慰めになり得るが、その実魂は存在せず、ただの現代科学の叡智の集合のおかげで死者の代弁が行われただけであり、加えて死が無くなることで弊害が生まれる、って感じ。
 舞台は、精神汚染が引き起こされないために人の言動が統制され、更に公益の福祉のためには個人の行動および思考の介入がなされるというディストピア的な世界。カリル・サリンズ監督のマインド・エスケープと伊藤計劃さんすごーーー!!!って思って情熱が滴るあまりに書きました。すごく楽しかったです……。完全に私の趣味……。SFって何かしら現代社会のことを風刺する内容にならなければいけない、と思うのですが、21グラムの慰めは、現代医療技術への風刺かな。細かいところだと、遺伝子操作だとかあとは行き過ぎた公共の福祉。とにかく楽しかったです! この設定がこれだけになるとちょっと悲しいので、次はアイデンティティについてとかそういうくくりで書こうかな!

3件のコメント

  • 夜宮あいらさん>
    ぜひ次は召還させていただくことにします笑 バイトに入りたてという狂言回し的な役割を持つ主人公と、その先輩たちが新人教育をする中でのお話ということで、説明文がお話の中で邪魔していないですし、本当に素敵な物語でした!
     わざわざご丁寧にありがとうございました!
  • ひとみさん>
    こちらこそ素敵なレビューありがとうございました! 仰るとおり、現代の延長線にあるような未来としてあり得る世界の中での問題を書いたので、そこを褒めていただけてとても嬉しいです。
    またひとみさんの作品を覗かせていただきます。重ねてになりますが、本当にありがとうございました!


    綺羅ケンイチさん>
    初めまして。二人がこれからどうなるのか、続きをとても楽しみにしてます! 陰ながら応援しております!
  • きづ柚希さま

    はじめまして。小川茂三郎と申します。
    すっかり連絡遅くなってしまったのですが、拙作に叮嚀なレビューありがとうございました!
    ご指摘いただいた、最後西口が動揺する点ですが「なんでだろう??」と読む方に感じてほしいな、と思っていたところだったので、良いところを汲んでいただいたなーと、とても嬉しく思っています。
    ありがとうございました!
    引き続き、きづ柚希さまの作品も覗いていこうと思います!
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