今のところ、「悪童たち」と「世界を売った男」と官僚謀殺シリーズ」がおもしろかった。日本のミステリーほどトリックが完璧だったドラマのキレが決まっていたりしないけど読み物としては充分楽しめる。そして欧米のミステリーよりは確実に面白い。また中国の社会や中国の価値観というものも垣間見れる。例えば官僚謀殺シリーズだが。これは官僚が利権がらみで、平民を殺したり、見殺しにしてしまったりして、その平民の家族が敵を討つような話。中国でこんなもん書いて出版されるのか!って感じで驚いた。ネタバレ注意
もう官僚を次々に殺して行くんだから。そして、つかまらずにそのまま逃げ切ってしまう。まだ、中国では官僚であれ公務員であれ、みんな世襲制であるということがとてもリアルに描かれているし。農村戸籍と都会戸籍の差別なんかも描かれている。さらには田舎の平民出身でも、特に優秀ならばかなりいいところまで上がっていける。ということも書かれているので、あー、今、中国こういう状態なんだな・・というのが分かる。そして、主人公がやってしまう。まずいことってのは、日本だったら絶対まずいことだったりする。正義感と言うのも、あれこれちょっと日本だとNG・・・だよなあ。ってのが描かれていたりして。そういうところも楽しめるので。中国ミステリーをいっぺん手に取ってみることをお勧めしますよ。