第5話タイムイズマネー辺りから登場する為替ディーラーの三種の神器のひとつ、ポケットロイター。
いまは携帯電話で必要な情報はみんな手に入るらしいのですが、かつてはこんな携帯端末でFM電波を使って情報を流していたらしいです。写真のものは比較的新しいものだとは思いますが。
これを片時も離さず持ち歩いていたんですねー。
まあ確かに家の中でも始終こんなものをいじられていたら、家族はたまらないですね。
取材中は笑いの連続でしたが、これまで、そしてこれからを含め劇中に出て来るエピソードはどれも実際にあったことです。
取材は十年ほど前、前みずほコーポレート銀行(旧日本興業銀行)のチーフディーラーの方にお願いしました。その後役員になられていまは退職されてしまわれたようですが、登場する「次長」のモデルになってます。あの腕を組んで片手を顎に当ててつま先で円を描くくせもその方のものです。ちなみにディーリングルームの場面も何回か見学させていただいたぼくの視界に描き出された世界です。
もうお解りだと思いますがこの小説では登場人物の名前はいっさい出て来ません。視点もすべて「ぼく」の視点だけで描かれており、他の登場人物が実際なにを考えていたのかもすべてぼくの想像の範囲で描かれています。
その意味で普通の小説とはちょっと異なるのかもしれません。
また、映像的な表現にこだわると同時に脚本的アプローチにしてあるので会話も多いです。一方で文学的表現はほんとにごくわずかしか出て来ません。
それらがいいのか悪いのか、なんとも言えませんけどね。答えは読み終わった後のみなさんの読後感にあるのかもしれません。
知りたいな〜
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Photo by Fenu-Redio