詩とカレワラ韻律・2

Moi!
前回はカレワラ韻律の、1. 1行が8音節で強弱格の4脚で構成されていること、2. 1行で同じ頭韻をよく使っていることを見てみました。
今回は、3. 同じことまたは似たようなことを言葉を変えて繰り返して言うことが多い、4. 最も長い単語が最後になることが多いについて、再びアイノが歌った詩を例に見ていきます。

 Lumen tiedan syntysanat. (私は知っている、雪の誕生の始まりを)
 Alun tunnen ukkostenkin. (私は知っている、雷が生じる始まりを)
 Lumi, taivu kaskyihini! (雪よ! 私の意に従え!)
 Lumi, taivu tahtohoni! (雪よ! 私の命じるままに!)

この詩を、カレワラ韻律の規則3「同じこと、または似たようなことを、言葉を変えて繰り返して言うことが多い」で見てみると、似たようなことを言葉を変え繰り返しているのでクリアとなります。では、規則4「最も長い単語が最後になることが多い」はというと、4行とも、きちんと最後の単語が4音節となっており、長くなっているのでクリアしています。この辺は、もう語彙と文法の習熟度にもよると思います。フィンランド語の場合、多少、語順を変えても差し支えないことが多いので、私自身に、もうちょーっと語彙力があって、文法の理解も深ければ書けたなぁと悔しいところではあります。実際、フィンランド語が母語の友人は、さらっと書き換えたりもできるのです(うらやましい)。
 作中に登場する詩は、カレワラ韻律の規則1〜4のいずれか、とりわけ規則1と3は必ず守っているので、カレワラ韻律の詩として成立しているそうです。
 それでは、また!
 Moi Moi!

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