• 二次創作
  • 現代ファンタジー

方舟の王 想像から生まれる創造

「ヒナミ、動物にはね…いい動物も悪い動物もいないの」
私はお姉ちゃんにそう教えてもらった。
「どんなに暴れん坊で、食いしん坊な動物も…心を通わせられたら仲良くなれるかもしれない…。それってとっても素敵なことじゃない?」
私は絵本に出てくる動物たちは、本当に悪い動物なのかをずっと考えていた。
動物だけじゃない。物語に出てくる悪い役は、本当に悪いだけなの?
「私、決めた!…この地球の動物みんなと仲良くなりたい!」
私が色んな動物達と話して仲良くなって、沢山の動物を集めたそんな動物園…!
「きっと素敵な場所なんだろうな…!」
そんな夢を膨らませていたのは小学6年生のころ。
図鑑を沢山読んで、色んな動物がいる事を知った私は…一つの夢ができた。
「巨大総合動物園…ジャパリパーク…?」
海底火山の噴火から生まれた島を巨大な動物園にするという計画を知ったのは、お姉ちゃんと一緒に色んな動物園を巡っていた時の話だった。
「お姉ちゃん…私、ここに行きたい!ここの動物達と、仲良くなりたい!」
でも私は、ジャパリパークには辿り着けなかった。
子どもの頃に描いた空想は現実にはならなかった。
あんなに必死に頑張って、パークスタッフの試験も頑張って…。
なのに、私の辿り着いた場所はジャパリパークではなく、偽りの場所。
それでも、偽りだとしてもここに居る皆は私のことを待ってくれていた。
偽りだとしても、ここは私の居場所だと知った。
だったら、私はここを離れてはいけない。
例え偽りでも、私はこの場所を愛している。
私はこの島を創造の方舟、ゲネシスアークと名付けた。
またの名を新与那国島。
ジャパリパークへと…いつか辿り着くための場所。

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