先日公開しました第二十話「謗る者」の中で、
姫君が怪談話をしているくだりがあります。
と言っても、平安時代に現代のような「怪談」というものはなくて、
怖い話を楽しむスタイルというのは、新しい文化で文化・文政以前の江戸に発しているようです(今手元に資料がなくて曖昧で、すみません汗)
とはいっても、『今昔物語集』なんかにもこうしたお話はあります。
そこでは、どんな捉えられれ方をしていたのかというと、罪を裁くしるし、として奇妙な恐ろしい話があったのは想像がつくかと思います。
更に遡って、姫君が語った話は『日本霊異記』からの引用なのですが、
この辺りになりますと、さらに仏教と密接に関係します。
「卵を煮て食した男が、悪業を得て死した話」というのは、
鶏の卵を焼いたり煮たりする者は、死んで灰河地獄に落ちる、という「善悪因果経」によるお話になります。
卵食べたら地獄に落ちるなんて、現代人には全然救いがない話です(^_^;)
また、エロとグロは表裏一体、というのは奈良時代から変わらぬお約束ごとのようでして、
『日本霊異記』には、これは本当に説話なの?? というエロ話が結構あります笑
姫君が語ろうとした「蛇に懸想された娘が、薬の力で命を救われる話」もその代表で、
こちらは「それ、娘をなぶりたいだけやろ??」という、
誰が最初に語ったのか、きっと僧侶であることは間違いないのでしょうが、禁欲生活で妄想だけが膨らんじゃったのね、と困惑すること必至な名作です笑
この『日本霊異記』エロ話を集めて現代風にアレンジしたものに、
伊藤比呂美さんの『日本ノ霊異ナ話 』というごりごりなエロ小説があります。
興味を持たれた方、ぜひ一度ご覧いただきたいです(^_^;)
いつも拙作をご覧いただきましてありがとうございます。
またお読みいただけますとうれしいです。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました(*^^*)