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作者、弾劾される

サリュフネーテ「それではこれより、川野遥の弾劾裁判を始めます」
川野「ひぃぃぃ。私は無実だ」
メリスフェール「黙りなさい。えっと、告発状によると、被告人川野はとある人物のネタバレ回を書いたつもりが、全くネタバレにならなかったという、ラノベ刑法15条の詐欺罪によって告発されていますね。間違いないですか?」
川野「私は告発人に言われるままに従っただけなんだ」
メリスフェール「言い訳はいりません。で、中身によると、ははぁ、スパイのネタバレをするつもりが内容が曖昧ではっきりしなかった。こんな作者には生きる価値もないから処刑せよということですね」
サリュフネーテ「即刻処刑は行き過ぎですので、一応全体をみてみましょう。とりあえず訴状によりますと、被告人はアムグンなる人物をスパイとして設定していた、これは間違いないですね?」
川野「はい」
サリュフネーテ「誰のスパイだったのですか?」
川野「そ、そこまで言うのですか? あ、はい。あの、当時の主人公の上役のスパイという設定でした」
サリュフネーテ「なるほど。被告人によりますと、この人物はファンタジー世界でなければすぐスパイと分かるだろうと思っていたということですが」
川野「はい。とある街の防衛隊の中に入った20人の中にいまして、残り19人は無事でこの1人だけ行方不明になり、かつ街が落ちるという結末でした。通常では一人だけ行方不明になっているのに街が不都合な事態になっているということでスパイを疑われるべき人物だと思っておりました」
メリスフェール「しかし、この世界はファンタジー世界であり、かつこのアムグンなる人物は突然数百キロを移動したということですが」
川野「何もないと即座にスパイとばれるのでそれをカムフラージュにしたら、多少は誤魔化せるのではないかと思っておりました」
サリュフネーテ「……とりあえずそういうことにしておきましょう。で、肝心のネタバレ回ですが、これを知った人物というのが縁のある人物ではなく、これまでほとんど出番のなかったセルフェイ・ニアリッチと、本編では全く出番のなかったエリーティアによるものとなっておりますが?」
川野「歴史上、スパイがスパイと発覚するのは偶然によるケースが多いので、それを再現するつもりで偶然の機会にしたつもりでした」
メリスフェール「確かにリヒャルト・ゾルゲなどの発覚も偶然で、直接の上司は途中までスパイであると思わなかったという話もありますね。それが行き過ぎてしまったと?」
川野「はい」
サリュフネーテ「セルフェイの回想は多少くどいですが、話の流れだと突然スパイたる人物に乗り移ったエリーティアに関心が集まると思います。これについては?」
川野「私の中ではエリーティアは色々と理解不能なことをする人物なので、今回の件がそれほどおかしなことだとは思いませんでした」
メリスフェール「ですが本編は初出場ですよね? これまで他人に乗り移った人物がいない中で、初出場の人物が乗り移ることに違和感を覚えなかったのですか?」
川野「はい。そう感じるべきでした」
サリュフネーテ「では判決を下します」
川野「えっ、早くないですか?」
サリュフネーテ&メリスフェール「判決・死刑がいいんですか?」
川野「……謹んでお聞きいたします」
サリュフネーテ「被告人は悪意がないとはいえ、曖昧な説明で読者を惑わしたということで罪は免れません。よって、禁固二万年の計に処することにします」
川野「二万年!? 生まれ変われたとしても二百回かかりますよ?」
サリュフネーテ「ただし、私サリュフネーテとメリスフェールがウハウハできる外伝10万字ずつを書けば、刑を免除します」
川野「えぇー?」
メリスフェール「これにて閉廷します!」
川野「納得いかーん!」

4件のコメント

  • なるほど、そういうことでしたか…言われてみれば疑うべき点でしたが、ちょっと注目ポイントがズレてしまったのですね。
    残念ですがこれは有罪ですね。被告人に禁固三万年を求刑します。理由はリュインフェアさんを含めた三人のウハウハ外伝計30万字を読みたい人が、おそらく私含めて沢山おられるからです笑
  • なるほど、今なら色々リクエストできると言うわけですね(´-`)ニヤリ
    ノルンさんとエリーティアさんとティロムさんとノルンさんの話をもっと読みたいです!
  • セルフェイ君は魔力は詳しくないのでそちらの解明編はもう少し後で、今回は立場判明編というつもりでしたが、説明がよろしくなかったので改めてセルフェイから解説させるようになると思います。

    10万字増えている!?
    リュインフェアは、取り上げようとしてもぬくぬくしている話ばかりでウハウハな日常はあまりなさそうな……(笑
  • 何か違う方向に話が!?

    現在は当事者の数の関係で進行スピードにやや差が出てしまうのです(汗
    もう数年経てば、単独行動も増えて話の幅が広がるのですが。
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