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ある作品の感想

 某所で、ある作品について勧められたので、(☆もらった恩もありますので[笑])論評を書いてみました。
 賛同って感じではないので、直接書くのは怖いので、ここで独り言的に書いておきます。

 まず、私は「素晴らしい文章だ」とか「文章力がない」ということとか人物描写に関しては疎いので、こうした部分に触れられる能力がありません。
ので、そこは割愛したいと思います。

 ただ、歴史については多少分かりますので、そのあたりは批評できるかなと。
で、歴史好きとしてこの作品を読んだときに、まず思ったことは「この話がこの時代設定である理由が分からない」というものです。

 もちろん、いくつかのキーワード、「コルセット」とか「東洋との戦争」などからその時代らしいということは分かります。
 ただ、その時代から人が想定しやすいもの…例えば豪華絢爛たる大英帝国、万国博覧会とかディズレーリ、グラッドストン、あるいは切り裂きジャックなんかですかね…そういうものがなくて、この時代設定が必要な理由がはっきりしない印象がありました。
 それこそ、読み進めた部分までの印象としては、「いくつかのワード間違いましたけれど、実は1930年代の話です」でも通じるのではないか、とも。

 もちろん、この先、この時代であることは明確になるのだろうと思いますが、読み進めた部分までではそれがなく、英国にはいるのだけど、その時代の英国であるかがはっきりしないんですよね。
 これが一話、二話なら仕方ないのかもしれませんが、十話くらい進んで「時代が見えない」のは歴史を書いたものとしては少し問題かなと思いました。

 逆に「舞台設定は借り物なのだ。重要なのは登場人物なのだ」という方向性もあります。例えば『ジョジョ』の第一部なんかはそんな感じですね。あれは石仮面とジョジョとディオがいればいいので、別にイギリスでなくてドイツを舞台にしていても変わらなかったと思います。
 その観点から見る場合には、今度はイギリス設定が足を引っ張っている感じがしました。人物がドンと来るのではなく、英国の雰囲気が入ってきてしまう…的な。

 読んだ部分までの印象としては、歴史小説としては時代が分かるフレーズなり人物なりを入れた方がいいんじゃないかなとは思います。
 必ずしも主題に即したものでなくてもいいとは思います。読む側が「こいつが出るということはこうなのかな」と思ったとして、そうでなかった場合に「そう来たか!」となるわけですので。

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