かるびの・いたろ

最後の一行はショートショートのお手本のようでゾクリとしました。

母親はいつ気づいたのか。
思えばみてみぬふりをしていただけで彼女が一番怖いのかもしれません。

中盤までのほのぼのとした親子のやりとり
ついほっとしたところで・・・

日常を非日常に変えてしまったものは
幼い子が母親をしたう気持ちだというのが心に沁みます

タイトルとはうらはらに夜のイメージが強かったです それも相手を刺せない蚊よりも無力な殺伐とした都市の孤独がうかびました 選挙カーにすら相手にしてもらえない大人が 真夜中に一人でだれ…続きを読む

プールのあとの午後に全身がクラゲのようになりとろとろ眠くなるような

ひんやりとしたきもちよさと開放感にみちています

夏の透明感と倦怠感がすなおに表現されていて好きです

ジェルのように不安定なあやうい気持ち だから「きみ」は「わたし」にとって羊にもなる 恋する二人にとってお互いはあらゆるカタチをとりうる それが宝石のように固まり輝きだす直前のふるえ…続きを読む

社会人慣れをして少し倦怠感をおぼえてしまう。 それでも泣いたあとがわからないようお守り代わりにきれいなスカーフをつける。 気にしている人はいなくてもたまにはネイルに気合いれてみる。…続きを読む

大人になるとちょっとのことでは動じない。 ビル風にあおられても「きゃあ」ではなくて「水曜日だなあ」と思う。 それでも夜中くらいは自分ひとりの時間にもどる。そして革命を夢みる。 たと…続きを読む

夏祭りのとき水の中でつやつや光る金魚をつかまえた。 そのたった一瞬のようなきらめきが永遠につづく。 そんな切なさに満ちています。 「容疑者」になった瞬間も本人はつい輝いてしまう。若…続きを読む

途中まではみんなが大好きなあのネタかなと思いきや

さびしいような、どこか温かいような不思議な読後感でした

主人公に美女がストーカーするいわゆるヒトコワ系かと思いきや・・・
猫を手にかけたあたりからまさかの急展開

一粒で何度もおいしいホラーでした

まるで一度忘れられた都市伝説自らがふたたび思い出してもらえるよう、わざと「幸せになれる」という噂を流したようでぞっとしました。それ自体が意志をもってるようでほんとうに気持ち悪かった…続きを読む

宇宙の深淵に思いをはせた時ほんのり感じた恐怖がよみがえります。どこか古風な怪奇小説をおもわせる作品でした。