はじめまして。胡麻かるびと申します。
カクヨムをはじめたのは2016年頃になります。
当時は小説家になろう全盛時代で、僕の活動母体もそちらでした。
あくまで別のプラットフォームにも載せておこうという感覚でカクヨムに登録したまでで、本格的な活動はしておりませんでした。
あと、かの有名なオレオ事件もあり、カクヨムとどうお付き合いするか決めあぐねている状況でした。
気づいたときには、完全放置、です。
それから五年経ち、なろうでの活動に限界(流行作品やチャンス的な意味で)を感じはじめてからというもの、新人賞公募に鞍替えしたのが僕にとっての分水嶺でした。
訳あって名義を朝依しるとに変え、新人賞に挑戦した結果、富士見ファンタジア文庫さんで今年の2023年1月にデビューすることができました。
作品はこちらです
https://kakuyomu.jp/works/16817330651188123517 それで、デビューから半年経ち、どうして前名義でカクヨムで投稿活動をはじめたかというと、単純に〝小説を書きたい〟と思ったからです。
変な話ですよね……。
プロになったのに小説書きたいってどういうこと? 書いてるじゃん、と。
これについては、同じく商業で活動している方には共感していただけると思うのですが、書き下ろし作品は、まず編集部の企画会議でGoサインが出ないと書けません。
というか、どこにも公開することがなければ、作家が自己満足で本文を書いてもいいんですが、そもそも担当編集さんと打ち合わせをする段階で「こういう作品なら売れるんじゃないか」というビジネス目線の話が入り、第三者的な角度からアイデアを吟味します。
慈善事業じゃないので、当然、商業作品はそういうふうに作られていきます。
また、昨今のラノベ市場の苦しさもあると思いますが、挑戦的な作品を出そうというレーベルもあれば、手堅く一定の売り上げが見込めるラブコメ(少しエロ寄り)を新作として多く出していくレーベルもある状況です。
その結果、作家性と市場性を天秤にかけた作品群が、毎月本棚に新刊として並べられていくというわけです。
何が言いたいかというと、ライトノベルレーベルで活動しているかぎり、ライトノベルという媒体で戦う、という前提があります。(当たり前ですね)
一方で、僕のデビュー作はあまりライトノベルっぽくないという評判をよくお見かけしました。
普段読んでいる作品も、どちらかというとラノベよりもミステリやノンジャンルの一般文芸が多いので、ライトノベルらしさを言及されても、たまに判断に迷う瞬間がどうしてもあります。
そのため、自分の作家性とはなんだろうという迷いが発生したのがつい最近のことです。
そして自分の戦う市場はライトノベルなのか? ということを常々自問自答しています。(このあたりの悩みは、担当編集さんにも打ち合わせでそれとなく打ち明けているものです)
Web小説はどのプラットフォームであれ、特に読者層のニーズによるランキングの上下、ファンの獲得競争の優劣が色濃く出ることは、長年のWeb小説活動で重々承知しております。
プロとしてデビューしている作家だからって、Web媒体で発表されている玉石混淆の作品群と比べたら、どこか物足りなかったり、戦うには理解不足だなと思われる内容を書いてしまいがちなことは理解しています。
というより、Web小説には純粋な〝好き〟という熱量で書かれたパワーの秘めたものであったり、ランキングという市場分析力に長けた作品がたくさんあることも僕自身よく知っており、勝ち上がる見込みは正直、あまりありません。
それでも僕がこの媒体に戻ってきたのは、自分の作家性とは何なのか、それがどの層に刺さり、どこで戦うことが僕らしさを自認できるのか知りたかったというのが本音です。
また、カクヨムは一般文芸の編集者さんも作品を探しに読みに来ていらっしゃるとも聞いております。
コンテストや企画参加を通じて、何か僕の技量を多角的に評価してくれる人たちに出会えることを期待して舞い戻ってきました。
そんなわけで、僕はここでまた拙い作品を書いていこうと思います。
そんな僕ですが、この名義で追いかけてくれているファンの皆様、新しく作品を知った皆様には、これからも応援していただけると嬉しいです。
僕も僕自身が書く面白い作品を見つけていきたいと思います。
よろしくお願いします。