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夏野鈴生さんへ(白降青地)


 白降青地へのレビューありがとうございました!
 ゴタゴタしていた中なのに催促してしまい、恐縮です。

 そうでした。夏野さんは留まり続けようとする方でしたね。
 何も失わずに生きて行けたら幸せなのでしょう。
 でも、留まっていても失うことはありますから。
 失った部分に幻をあてがって、仮初めの今を形作る。決して悪いことではないです。中身のない状態で無理に動けば、崩れてしまいますから。

 喪失と再生。
 生きると言うことなんでしょうね。
 でも、夏野さんはこの男とは違って再生も早そうです。男がゆっくりと季節が巡るように自己再生を待つのに対して、夏野さんは留まっていても誰かが埋めに来てくれる様な気がします。
 そうそう、夏野さんの作品にみた核の形ですが、私は少女の居る空間だと思いました。少女だけではなく、空間そのものに囚われているように。人だけでなく、少女がかもしだす空気も気配も音も、何もかも全てを大切にして空間を作り、そこに囚われる。
 勝手な解釈ですけどね。
 それを見るに、きっと夏野さんは空間から出ないままで失ったところを再生させる術をお持ちなのではないでしょうか?

 健やかですか?
 まあ、私ではなく男の話ですから。私自身は健やかでも何でも無いです。
 悲しみという言葉を見て、そうか、無意識に悲しむ言葉を避けていたんだなと気が付きました。
 私自身はもっと、もっと弱い人間ですよ。

 降りしきる雪に悲しみを見る。
 なるほど。その感覚は無かったかも。
 雪国は雪が積もると本当に地面が見えなくなりますからね。悲しみで世界が埋まってしまったら、世界は冷え切ってしまって春には何も残らなくなってしまいますし。
 でも、雪国だって悪いことだけではないですよ?
 なので、ちょっとだけ雪に希望を見いだすのです。

 可能性を秘めた白。
 良い言葉ですね。
 そもそも、白は色んな光を集めて作られた色だったはず。可能性を含んでいるのも納得!
 で、可能性が降り積もって全てを覆い尽くした時、世界は明日へと変わる、と。
 いいですね。希望に満ちた美しい世界です。
 いつまでもそんな世界が続きますように。
 夏野さんの世界も美しくありますように。

 いっぱいのレビューありがとうございました。
 ではでは。

1件のコメント

  • 夏野さんへ

     お! 一番のお気に入りですか! 嬉しいです。
     多分この作品が、今まででもっとも『人間らしい人間』を書いた作品だと思います。それで夏野さんも読みやすかったのかもしれませんね。作品を“世界”と呼んでいただけるのは、やっぱり嬉しいものです。世界観を浮かび上がらせられたんだなーって。
     こっそり打ち明けると、載せている作品の中ではこれが一番リアルな私に近いのかもしれません。こんなドラマチックなことは体験したことはないですけどね。
     あ、リアルな私はすっごい無口です! もうね……会話が……成り立たないぐらいの……

     宣伝はありがたいですよ。誰に読んでもらってもそれなりに読めるものにはなってるかと思いますから。でも、どうでしょうね。私に似ているのならあまりお気に召さないかも。こう言っては何ですが、私、同族嫌悪みたいなのがありまして(笑)

     これ、逆立ちしてまで書くものじゃないです。夏野さんに男の一人語りまで書かれたんじゃ、私の書く物が無くなってしまいますって。
     健やかですか? 嬉しいですね。でも、どちらかと言えばやせ我慢かもしれません。夏野さんの前で見栄を張れたのなら、悔いはないです(笑)
     私はともかく、六月さんは日向の方っていう印象です。常に、夏の前に降る柔らかな日差しが差込む場所。仮に影の部分を書いたとしても、陽のぬくもりはどこかに残っていそうな感じがします。
     夏野さんは日陰になる場所。そこまで夜っていう感じではないですから、お屋敷の中、大きな木の木陰、日傘とかそんな日焼けのしないイメージです。あくまで勝手な想像ですけどね。幽閉、束縛された自由もなるほど、と。
     
     夏野さんは例え傷ついても、周りの方が傷を癒やしに来てくれるんじゃ無いかなって思って。人徳ですね。
     なので、疲れた時は疲れたと、痛いときは痛いと仰って下さいよ? 夏野さんは黙っていたら、再生が間に合わなくてじくじくと膿にしてしまいそう。
     あ、再生は『速い』でした。よくやるんですよ、こういうミス。いやいや、まだまだです。

     レビュー復活の一番が私の作品ですか? うん、すっごく幸せです。
     励みになって良かった! 
     良いものを書いていたら、そりゃあ、名は売れていくものです。
     名前に価値を付けるのか、言葉に価値を持たせるのか。
     価値の無い薄っぺらい言葉に名前を付けて売り回れば、それは後ろ指も指されます。(物書きに限らず、プロでもたまに見かけますね。しょうも無い物を作者の名前だけで売りさばこうとするもの)
     でも、心を込めて、持てる技術を使って書いた文章であれば、プロアマ問わず価値が付く物です。そのものに自分の言葉である事の証明として名前を添える。胸を張って舞台に立てる正当な行為です。
     価値がどこにあるのかを見失わない限り、どれだけ繰り返しても売名行為と罵られる事は無いでしょう。
     夏野さんの考えは間違っていませんよ。応援しています。


     告白、ありがとうございます。
     でも、もしかしたら、夏野さんに満足いただけるような作品は、当分書けないかもしれません。
     私、実はファンタジー屋なんですよ。リアルな世界を書くのは得意じゃなくて。ただ『書ける』っていうだけです。
     ヒーローとか華宴獄とか、今引っ込めているそれは誰かのすとーりーとか、そういった物がメインジャンルなんです。
     白降青地や茜の空とかは、滅多に話が浮かんで来ないんですよ。続編が思いつかない。読めるけど書けない。
     険と魔法の世界とか人外の物語は色々浮かんでくるのですけどねー。実際長編にできるのは、そっちだけですから。
     申し訳ないです。
     
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