注文してあった『國語リズムの研究』(湯山清 著)が届きました。
昭和19年の本とはいえ《黒い本》になっていてびっくり(日焼けや汚れで黒っぽくなっているという意味です)。
本を、これ以上きずつけないように、叮嚀に読もうと思います。
「序言」からいきなり、
國語の強弱リズムを闡明し、その原理・法則を探求し、之を組織體系化しようと意圖したのが本研究の目的である。
周知のごとく、國語の強弱リズムに就いては、國語研究史上に於て大體否定されてゐる。わが音聲學に於てさへ、國語リズムの研究は放擲されて來たと言つてよい有様である。
それゆゑ、國語に立派な強弱リズムがあり、しかも嚴然たる原理・法則に從つて、齋然たるリズム美を發揮してゐると云ふに到つては、古來の研究史に詳しい専門家の方が反つて之を疑ふかも知れない。
しかしながら、我詩歌に於ける萬葉調と古今調との著しい差異は、いやしくも國語研究に關心を持つ人士の知悉してゐるところである。その大きな著しい差異に感づきながら、その根本原因が今日まで全然究明されてゐない事實も疑問の餘地なく明か
なことである。
……
という文章で始まっています。やはり、なかなか刺戟的な本のようです。