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社会ってのは小宇宙だな

 自分がいかに平凡かつ特殊かを思い知らされた二か月間だった。社会に出るといろんな人間がいて、いろんな人生がある。そこに常識という名の非常識が居座っている。それは会社、ないしカイシャ、という小さな村(と隣町)でしか通用しないのである。
 だからといって、俺が社会に屈服し、畏敬し、尊敬し、打ちのめされたわけではない。今でも、この不条理への怒りを持ち続けている。だから、時間の許す限り、怒り、悲しみ、訴え、ズタズタに引き裂き、そうやってできた集め、コラージュし、文学するつもりだ。問題は時間がない、ということである。


 そんなことはさておき、シュールレアリスム展に行ってきた。

 絵画の展示なのだが、失礼を恐れず正直にいうと洗練されていないような印象だった。ダリのものまねが多い、というのが正直な感想だ。ただ一つ、堀田操氏の作品の色合いが非常に鮮烈で、記憶に残っている。宝石商の祖父から譲り受けた、我が誕生石であるトルコ石の、小さな壺を思い出した。そんな色合いだった。
 この展示で個人的に最も素晴らしいと思えたのは何といっても、『溶ける魚』の原本(?)だろう。恥ずかしながら読んだことがないが、そんな俺でも題名くらいは耳にしたことがある。もし読むならばフランス語を勉強しなければならない。俺はナンセンス学派であって、シュルレアリスムは対極の存在なのだから、そこまでして読む必要はないのだが。もっとも学派を名乗るほど学があるわけではない。

 ここらへんで近況報告は終わっておこう。俺にはやることがある。
 

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