柚城佳歩

就職試験連敗中の赤幡佑貴は、偶然見付けた「学歴、経験、年齢不問！」の求人を見て、怪しさを感じつつも面接の申し込みメールを送る。 面接会場の指定場所は、地元では有名な心霊スポット…

ばあちゃんがいつも大切にしている眼鏡。 その眼鏡は、付喪神を見る事が出来る眼鏡だった。

お腹を空かせた悪魔が出会ったのは、生まれつき目が見えない少女だった

一生のうちにその全ての国々を訪れたという人は、歴史を振り返ってもそうそういない。 でも僕は全ての国に行ってみたい。 だから一年前、自作のバイクで旅に出た。

“逢魔時に一人で橋を渡ると、向こう側へ連れて行かれる” どこにでもある迷信や噂話の一つ。 そう思っている人は多い。 でも私はこれが本当だと知っている。 仲の良かった友達が目の前…

毎年、春になるとふと思い出す。 私が大学四年生になる年に父が告げた「店を畳もうと思う」という言葉を。

私が住んでいる国に伝わるお話だ。 物心が付く年頃になると、ある時、いつの間にか寝ている間に枕元に箱が置かれている。 箱は人によって色も形も大きさも様々。 でもこの箱は決して開けら…

僕が務めている不動産屋には、ちょっと変わった部署がある。 幽霊や霊的現象全般を対応する通称・ゼロ課。 お客様に不安なく部屋を使っていただくために、退去ならぬ成仏をお願いします。…

俺には三分以内にやらなければならない事があった。 緊張感のある静寂、見定めるような視線。 大学のコンサートホールのステージで、真ん中に設置されたグランドピアノの椅子に座り、長く…

案内された扉の前。ぐっしょりと濡れたスーツを見て、焦りと落胆と申し訳なさが入り交じった感情が込み上げる。 これから就職面接だって言うのに、こんな格好で挑む事になるとは。

“三年最後の席替えで、七組七番の席に座ると不運に見舞われる” やはりと言うべきか。不運気味な自覚のある俺は、最後の席替えで七番のくじを引き当ててしまった。

どうやら俺の目は、ものを見るための筋肉が通常の何倍も発達しているらしい。

そりゃあ何十億人もいたら、どこかしら似てる顔の人もいるだろう。 でも、そのそっくりさんは人間だけとは限らないらしい。

魔法学園に在籍するロイエは〝ある意味問題児”として有名だった。 素行に問題なし、筆記試験の成績も良い、けれど実技に関してはからっきし。 そんなロイエに最大の難関とも言える、卒業試…

人とおもちゃが少しでも長く一緒にいられるようにと願いを込めて、今宵もひっそりと開店です。

神出鬼没な移動販売車、縁(えにし)書店。 一風変わったこの本屋は、来訪者から聞いた話を元にした小説を商品としている。 対価は、あなたの心に残る想い出。 もし出会えたならそれ…

高二の冬休み、遊びに行った先で用務員の青年を見掛けた小鳥遊三澄。 いつもとだいぶ様子が違う事が気になってあとを追うと、見知らぬ人に殴りかかろうとしている場面を目撃し、慌てて止めに…

本を読むのが好きな男の子、開(ひらく)が図書室で偶然出会ったのは、妖精さん…？ 本の管理者見習いだと言うコヨミちゃんにお願いされて、本から抜け出た物語を集める協力をする事にな…

生まれつき体が弱いお兄ちゃんは、大きくなってからもいつもお父さんとお母さんから大切にされている。そんなお兄ちゃんが羨ましかった。だけどある時偶然見付けた日記を読んだ事で、お兄ちゃ…

どんなに願ってももう会えない友達がいる。叶うのならば、その子がいる世界に行きたい。深夜零時、私は鏡の前に立つ。

大学に通いながら漫画家を目指す仁屋川真絋。ある日やる事が山積みになり、「せめて今週だけでも誰か俺の代わりに授業に出てくれ」と呟くと返事が返ってきた。待て、部屋には俺しかいないのに…

魂は輪廻する。私は記憶を持ったまま転生を繰り返している。どの生でも、危機が迫った時に助けてくれた人がいた。

うちの中学には十年ほど前から旧校舎に幽霊が出るという噂がある。でも僕は噂なんて元より信じていなかった。だけど訂正する。音楽室には確かに幽霊がいた。

昔からある焼き鳥屋。代替わりした若き店主には奇妙な特技があるらしい。

旅の途中、お金も食べ物もなくなり困っていたところを偶然出会った男性に助けられる。旅の資金が貯まるまでそのまましばらく滞在することになったライゼはある日、その国だけで起こる不思議な…

隣の家の深波は一日に一度、願い事をするとそれが叶う。でも大きな願い事は範囲外だし、神様にもわりとアバウトなところがあるらしい。

僕は、動物の気持ちがわかる第六感を持っている。職場体験で行った動物病院での偶然の出会いが、思わぬ方向に転がっていく。

推しへの投資の元手を増やすため、俺は無謀な賭けにでた

絶賛売り出し中のアイドル“もも缶”の担当マネージャー、白崎リカには秘密があった。

バイト帰りにすれ違った人が落としていった定期券。 駅に届けようとして忘れていたそれを持ったままだったせいで、不思議な世界へ迷い込んでしまう。 そこは見た事のないもので溢れていて……

高校を卒業した春休み、大学進学を機に一人暮らしを始めるため、晴(なり)は昔暮らした祖母の家へ引っ越しの準備を進めていた。 かつての自分の部屋に置いたままになっていたピアノを懐か…

毎年、夏になると田舎の祖父母の家へ行く。 これは中三の夏休みに出会った見知らぬ少年と僕の遊びの思い出だ。 *ふらっと気軽に読めるお話になっていれば嬉しいです。

毎日それなりに充実していた。あの日までは。 ある時突然音が聞こえなくなってしまった歌音。どうしてよくない事っていうのは次々と重なってしまうんだろう。気持ちが沈みそうになっていた時…

かの有名な寓話『うさぎとかめ』。 これは影に隠れたウサギとカメの物語。

部員一人の演劇部。存続の条件は一ヵ月以内に新入部員五人の確保、もしくは活動実績を残す事。 たった一人でどこまで出来るか。 やってやろうじゃん、しっかり見てろよ校長。

子どもの頃、旅人の老人との出会いをきっかけに魔法師へ憧れを持つようになったダリヤ・ローウェル。 素質はあるものの、実力はいまいち。 そんな中、卒業試験の日が迫っていた。

学校からの帰り道。 暴走するトラックの事故に二人で巻き込まれた。 咄嗟に突き飛ばされた俺は軽傷だったが、あかりの命は奪われてしまった。 さっきまで隣にいたのに。 何も出来なかった…

長い間休載が続いている人気漫画家の担当へ新しく配属されたのは新人編集部員。 優柔不断で天然人たらしな相手から、無事に原稿を受け取る事が出来るのか。

朝のラッシュの人混みに流される小さな手を掴んで引いたら、出てきたのは妙に老成した口調の奇妙な少年でした。

夜になると無人の屋敷から助けを求める声が聞こえる、明かりが点いているのを見た。 これもそんなよくある噂話。

感情を学習出来るAI、マシロ。 博士の隣で今日も新しい知識に触れていく。

高校総体予選大会。 サッカー部は初戦勝ち抜くも二回戦敗退。 いつきは、昔からの恒例行事となっている期間限定の駅伝部助っ人のため、練習に参加する。 走る事が特別好きなわけでもないの…

〈おうち時間をもっと充実！新感覚の世界旅行へ！〉 そんなキャッチコピーで巷で人気の新感覚バーチャル体験ソフト。 実在する都市から空想の世界まで、ありとあらゆる場所へ行ける。そんな…

小さい頃に父に初めて連れられて行ったロックバンドのライブ。 きらきら輝いて見えたステージに一瞬で心奪われた。 私もあの場所に立ちたい。 そんな気持ちを抱き、幼馴染み二人を巻き…

資源豊富で、水も豊か。 だけどなぜか植物だけが育たない国があった。 この国を、花でいっぱいにしたい。 子どもの頃に出会った美しい旅人、サクラさんとのとある出来事をきっかけに、植…

ここのところ悪い事ばかりが続き、とにかく一人になりたくて、あてもなく走らせた車。 山の奥深く、偶然見付けた看板にはちょっと変わった看板が。 『Uターンできます』 過去に戻れ…

祭りの起源は遥か昔。 神様に仕え祀る、神様に供え奉る。 “祀り”や“奉り”が変化したものと言われている。 そして、神様をお招きし、酒や食事などを出しておもてなしをする、神様と人…

精霊たちが暮らす国。 ここには全ての精霊たちを統べる王様がいる。 四年に一度、強大な力を持って神樹から生まれる王様。 けれど今度の王様は、何の力も持っていなかった。

寝坊した上電車はストップ。 おまけに雨まで降りだした。 朝から災難続きの俺が、激しい雨から逃れるように駆け込んだ場所で偶然出会った女の子は。 「ねぇ、この雨が上がるまでお話し…

小さい頃、じいちゃんがプレゼントしてくれた鯉のぼり じいちゃんが教えてくれた鯉のぼりの由来の話に胸を躍らせた そしてあの夜、俺は不思議な体験をした 少し不思議のＳＦです