柚城佳歩

ここのところ悪い事ばかりが続き、とにかく一人になりたくて、あてもなく走らせた車。 山の奥深く、偶然見付けた看板にはちょっと変わった看板が。 『Uターンできます』 過去に戻れ…

祭りの起源は遥か昔。 神様に仕え祀る、神様に供え奉る。 “祀り”や“奉り”が変化したものと言われている。 そして、神様をお招きし、酒や食事などを出しておもてなしをする、神様と人…

精霊たちが暮らす国。 ここには全ての精霊たちを統べる王様がいる。 四年に一度、強大な力を持って神樹から生まれる王様。 けれど今度の王様は、何の力も持っていなかった。

寝坊した上電車はストップ。 おまけに雨まで降りだした。 朝から災難続きの俺が、激しい雨から逃れるように駆け込んだ場所で偶然出会った女の子は。 「ねぇ、この雨が上がるまでお話し…

小さい頃、じいちゃんがプレゼントしてくれた鯉のぼり じいちゃんが教えてくれた鯉のぼりの由来の話に胸を躍らせた そしてあの夜、俺は不思議な体験をした 少し不思議のＳＦです

俺には今、片想いしている相手がいる。 だけどまともに声を掛ける事さえ出来ないでいた。 このままじゃいつまで経っても変わらない。 こういう時だけ頼りにするのはどうかと思うけど、神…

行った事のない駅で降りて、行き先を決めずに歩く。 散歩ほど気軽じゃなくて、だけど旅と言うには大袈裟で。 そんな自由気ままなものに、昔からずっと憧れていた。

仕事帰り、私の前に突然現れた少年。 カタリィ・ノヴェルと名乗るその少年は、一冊の小説を差し出してきた。 活字は苦手だからと返したのに、また次の日も私の前に現れた。 今度は手…

ふらりと旅行に行くのが好きだった兄 ある日、出掛けたまま帰らぬ人となった はずなのに 「言ったろ？お前が嫁に行くまでは俺が守ってやるって」 少し不思議のＳＦです

町の外れにある小さな動物園。 客足は今日も疎ら。 そんな動物園が、三周年を間近にしていよいよ本格的に閉園の危機に迫られた。 従業員全五人でこの危機、乗り切るしかない！

将来やりたい事もこれと言ってなく、毎日を何となく過ごしていた結(ゆう)。 ある日海で死にかけた結は、死神だと名乗る男に出逢う。 不思議な空間で、様々な記憶の映像を見て、最後に…

怪しいセールスマンは言った。 「この飴を嘗めている三分の間だけ、自分ではない誰にでも変身出来るのです」 胡散臭い事この上ないのに、俺は結局その飴を買ってしまっているのだった。

「お兄さん、一緒に遊んでくれませんか？」 ある日突然声を掛けてきた顔の見えない小学生くらいの子 一、一週間毎日ここに来る事 二、時間は午後五時から七時の間 三、彼についての質…

中学までバスケ一筋だった。 もう一所懸命になれるものとなんて出逢えないと思っていた。 【紙とペンとコンクール】

長年、家族同然に接してきた幼馴染みが、ある日突然いつになく真剣な顔をして私に言った。 「好きな奴がいるんだ」 「え」 そんなの初耳なんですけど。

本好きな男子高校生、弥生が見付けたある1人の生徒の名前。 いつだって、どんな本にだって、貸出しカードの1番上にそれはあって、弥生の名前は決まって2番目だった。 ―あなたの日…

「おめでとうございまーす！！」 目の前にいきなり現れたそいつは、自分の事を神様だと言った

夜になると時々、隣の部屋から聞こえてくる音。 ある日の夜をキッカケに始まった隣人との交流で、これまでの自分から変わっていける予感がした。

現在進行第２章 大幅改稿作業中！ 盗難事件は数あれど、二人の元に持ち込まれるのはベタ増殖事件だったり、絵画入れ替え疑惑だったり、ちょっぴり不思議でややこしいものばかり。 成績…

調理師専門学校に通う雨野雪夜。1年生最後にして最大の行事、新入生の歓迎パーティーに向けて準備を進めるが―。