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一通り使ってみて

 カクヨムというサイトにもだんだん慣れてきましたが、「カクヨム」のうち「読む」側にも何かメリットが無いと、たぶんこれ以上は盛り上がらないんじゃないかなあとか思ったりします。「面白い小説がタダで読める!」ってのは別にカクヨムじゃなくてもいいわけで、カクヨムならではの「読む」ということに対するメリットが何か提示されると良いですよね。そうでないと書く側が読むための努力をしなくなって需要と供給のバランスが崩れます。というか私のことです。
 たとえば私が以前常駐していたソドム、通称ライトノベル作法研究所(以下ラ研)では、「書く人=読む人」であるとして、いわゆる読み専の人の存在をカウントせず、小説がうまくなるために書く側でもある人が作品を読んで、改善点や指摘点を作者に一方的に送りつけるというスタイルをとっていました。これはいさかいの原因になることもしばしばありましたが、自分の思ってもいないことを指摘してくれて、自分の技量を高められるという点で、実にありがたいシステムでした。加えて、感想を書くと感想を書いた作品の作者から「善意で」ガチな感想が送られてくるという「感想返し」という文化がありまして、他者の作品に感想を書くと、自分の作品にも感想を書いてくれる人が出てくるというありがたい場所でした。さらにラ研では作品を投稿する際は他者の作品に感想を書かなければいけないというルールがありましたが、それと同時に、書き手は他の作品に手前勝手な感想を送りつけてこき下ろすというある種の優越感を味わうことも出来たので、煽りあいという側面もあるのですが、実に人間の浅ましさを利用したいいシステムだと思っています。本当ですよ? ラ研こわくないよ?
 これはデータを取ったわけではないので、オンノベ界隈に長く居座る私の完全なる私見ですが、二次創作の世界だと、書き手よりも読み手の方が多くなって、需要と供給のバランスが比較的保たれるのですが、一次創作では書き手の方が多くなっていて(二次創作は基本的に原作の補完という立ち位置であり、アンソロジー的なものくらいしか公式から供給が無いため、書き手が尊ばれることが多いが、一次創作はそもそも素人の面白いかつまらないかわからない小説なぞ読まなくても、ブックオフで100円出せばプロの面白い小説がいくらでも転がっているため)、その辺の不均衡をなんとかしないと、これ以上盛り上がらない気がします。あんまりにあんまりな話かもしれませんが、やっぱり感想をもらって発生するモチベーションってすごくって、読み手の人が増えて、感想が人気作だけでなくて広い範囲で送りあえるようになるような、何か方策を考える必要があるんじゃないかなあと思います。具体的に何か、というと思いつきませんけど。ラ研みたいな、「このタグついてたらガチ感想可」みたいなのをガイドライン化してもいいかなとも思いますし。まあその辺は、これからユーザーや運営が考えていかなければいけないでしょうね。他サイトとのインフラ的な意味での差別化ができなくて消えていった小説投稿サイトはいくつも見てきましたし。

 つらつらと書いたところで、私が何か行動するというわけではないですけども。。。

4件のコメント

  • 作者にとって作品に対する反響があるというのは嬉しいもので、それが自分でも分かっているので、読んだらなにかリアクションをとりたいと思っています。
    で、ラ研の場合は感想と点数なわけですが、カクヨムの場合、ラ研では当たり前なあからさまな指摘をするわけにはいかない雰囲気ですので、そこのところは自重しています。
    その分というか、気に入った作品にはなるべく応援コメントをするようにしています。
    応援コメントもサイトの雰囲気に合わせて褒め中心だったりはしますが、レビューよりも気軽に思ったことが書けるので気に入っています。
    郷に入っては郷に従えですね。
  • ラ研ではある程度思ったことを言っても(筋が通っていれば)全く許容されますが、他のサイトだとそうも言ってられないですよね。私はラ研がはじめての小説投稿サイトだった(厳密には違うのですが)ので、今もラ研と他のサイトの感想の温度差と本音の入れ具合に戸惑っていますw
    その点、応援コメントという体をとると、面白かったら一言コメント、みたいな感じで気軽でいいですね。あとは、多く読んだ人にたいして何かメリットがあるといいと思うのですが。。。
  • はじめまして、帆乃風総侍です。
    わたしは小説サイトって、このカクヨムが初めてだったのですよ。
    それで、仲間内でやるように、いい所はいいで誉めて、ここはこうじゃ・・・って感想を送ったら、すごい拒絶反応されて驚きました。それ以来は、表面上をさらっと撫でる誉め言葉を並べています。
    ストーリーに突っ込む批評なんて、絶対にNGになってますよね。それでも欠点を指摘するときは、オブラートのほかにエアクッションで包んで、ダンボールに梱包して書きます(笑)
    だけど、それって勉強になりませんよね。
    たしかに誉められるのって嬉しいけれど、自分の作品が完璧なわけがないのだから、欠点も教えて欲しいなぁと。
    ただ「つまらねぇ」と一言で書かれたら怒るけど、理由をちゃんと書いてくれれば受け入れるのになぁと。
  • はじめまして。オンラインのノベルサイトには様々なサイトに十数年入り浸っておりますので、このような文化になった経緯なぞは、ちょっと自分でもまとめておきたいのでいずれお話いたしますね。
    基本的には私も同じようなスタンスになるのですが、やはりサイトの文化は尊重すべきで、基本はそれに従うべきです。
    あるいは、そういった「指摘」をメインにしているサイトもありますので、そういう文化を持つサイトのほうが合っているという場合もあります。いくつかのサイトを試してみるのがいいと思いますよ。
    ちなみに私が指摘を行う際は、必ず指摘点に対する「理由」を書くようにしています。「なんとなくダメ」みたいな指摘では、指摘されたほうも納得がいきませんから。
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