• 現代ファンタジー

作者もキャラに振り回されてる?

こんにちは、
元魔王、ポーション売ります!〜フランチャイズで世界征服(経済的に)〜
の、作者です。

『元魔王、ポーション売ります!』という物語はすでに書き終えています。
この作品を最後まで仕上げた瞬間、久しぶりに「ああ、小説を書くってこんなに楽しかったんだ」と、心の奥底からじんわりと熱が湧いてきたのを覚えています。

しばらく創作から遠ざかっていたのですが、ペン(キーボード?)を置いていた時間が一気に報われたような、不思議な感覚でした。
執筆していたのは自分なのに、最後のページを閉じたとき、まるで読者のひとりになったかのような気持ちで胸がいっぱいになったんです。

昔は本気でシナリオライターを目指していたこともありました。
けれど現実の波に揉まれ、まったく別の仕事をするようになってからは、物語を書くこと自体が遠い日の夢になっていました。

「また書きたい」という思いが消えたわけではありません。
ただ、気付けば日々の忙しさの中でその気持ちは隅に追いやられ、触れることさえできなくなっていたんですね。

そんな自分に再び火をつけてくれたのが『元魔王、ポーション売ります!』でした。
魔王がポーションを売る。
文字にしてしまうと少しおかしな組み合わせですが、だからこそ「これなら楽しんで書ける」と思えたのかもしれません。

そして不思議なことに、筆を進めていくうちに、物語のキャラクターたちが生き生きと動き始め、こちらの想定を軽く飛び越えてくる。
気づけば彼らに振り回されながら、「そうか、自分はやっぱり物語を作るのが好きなんだ」と実感させられていました。

本作の軸は、一見ちぐはぐにも思える「ファンタジー」と「経済」をかけ合わせたものです。
剣を交える代わりに、ビジネスを武器にする。
それって地味かな?と最初は思いましたが、いざ描いてみると驚くほどドラマチックでした。

数字や契約といった現実的な題材に、魔王や魔族といったファンタジーの存在が絡むことで、日常の“当たり前”が新しい意味を持ち始めるんです。
そして気づけば、魔法の代わりに経済で戦う物語が「自分にとってのファンタジー」になっていました。

ただの勉強や知識の羅列ではなく、キャラクターたちが体当たりで経験し、悩み、時に失敗しながら学んでいく。
その姿を描くことで、むしろ現実世界の“経済”がちょっとだけ身近に感じられるのではないかと思っています。

物語を書きながら、何度も「キャラクターに励まされた」と思うことがありました。
彼らは決して完璧ではありません。
天然で失敗ばかりの魔王、真面目だけど恋する参謀……。

「大丈夫かな、この人たち……」と心配になりながらも、不器用な彼らが必死に前に進もうとする姿は、書いている自分自身にとっても大きな力になっていました。

作者なのに、「このキャラに出会えてよかった」と思える。
そんな不思議な感覚をくれる物語に出会えたこと自体が、久しぶりに筆を取って一番の収穫だったかもしれません。

この作品は、派手な戦闘や大きな陰謀が物語の中心ではありません。
むしろ、日常の中でじわりと積み重なる小さな努力や、ちょっとした失敗から立ち直る強さが描かれています。

専門的知識の羅列ではなく、「笑って、少し泣いて、また笑って」──そんなストーリーのリズムを大切にしました。
読んでくださった方が、読み終えたときにほんの少しだけ前を向けるような、そんな物語になればと願っています。

そして、何よりも伝えたいのは「小説ってやっぱり楽しい」というシンプルな気持ち。
私自身が再びその喜びを思い出せたように、読んでくださった方にも同じ熱が少しでも伝われば嬉しいです。

気づけば長々と書いてしまいましたが──この作品はきっと「小説って面白いな」と思わせてくれるものになっていると思います。
経済だから、と特別に身構える必要はありません。
むしろ専門用語バリバリな一面は特に無いです(笑)。
経済に詳しい方からたくさんツッコまれそうですね〜……

ま、とにかく気軽に、軽い気持ちで一話目を開いてみてください。

物語の中には、笑える場面も、胸が熱くなる瞬間も、ちょっと切なくなるところもあります。
そして読み進めるうちに、きっとあなたも「キャラクターに励まされる」瞬間に出会えるはずです。

どうぞ、この物語を楽しんでいただけますように。
作者として、そして一人の小説好きとして、心からの願いを込めて──。

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